仕事を頑張ろうと思う気持ちはありながら、やる気が出ない、モチベーションが全くないといったことは、働いている時に誰しも経験するものです。
しかし、やる気が出ない状態が長く続き、モチベーションが全くないまま働いていると、さまざまなマイナスがあります。そのため、多くの人は高いモチベーションを持って仕事をしたいと考えているでしょう。
本記事では、なぜ仕事のやる気が出ないのかを考え、やる気を出すための対処方法を解説します。実際の体験談も掲載しているので、モチベーション低下に悩んでいる人は是非ご確認ください。
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仕事にモチベーションは必要か?
そもそも仕事をするために、やる気やモチベーションは必要でしょうか。やる気やモチベーションがなくても、仕事をこなせると思う人もいるかもしれません。
ここでは、仕事とやる気の関係について考えてみましょう。
仕事にモチベーションが重要な理由
一口に仕事といっても、内容は多種多様です。中にはやる気やモチベーションがなくても、機械的にこなすだけの仕事もあるでしょう。
しかし、そうした単純作業であっても、やる気がある人とない人では成果に大きな違いが現れます。やる気があれば集中力が高まり、粘り強く取り組めます。スピーディーに業務を遂行し、多少の困難があっても乗り越えようとするため生産性が高まり、結果として大きな成果が生まれるのです。
多くの仕事は何かしらの困りごとや課題を解決することで成り立っており、解決するためには困難やトラブルはつきものです。その時にやる気がなければ乗り越えることはできません。
また、やる気は周りに伝染する効果があります。高いモチベーションで仕事に取り組む姿勢は周りの従業員にも良い影響を与え、チーム全体の士気を上げることにつながります。結果としてチームの生産性が上がり、業務に大きなプラスとなるのです。
仕事のモチベーションが上がらない人は意外に多い
アメリカのギャラップ社が世界各国の企業を対象に2017年に実施した従業員のエンゲージメント(仕事への熱意)調査によると、日本企業では「やる気のない社員」の割合が70%に達し、「熱意あふれる社員」の割合はわずか6%に過ぎないという結果になりました。この数字は米国企業の38%と比較して32ポイントも低く、139か国で132位と調査対象国の中で最低ランクとなったことは記憶にある方も多いでしょう。
30年という長きに渡って低迷を続ける経済状況で、多くの日本の企業では従業員の給料が据え置かれ、社員教育や福利厚生にかける予算も削られ続けてきました。従業員にやる気が出ないのもやむを得ないのかもしれません。
参照:Gallup「State of the Global Workplace2017」
仕事のモチベーション全くない理由
仕事のモチベーション全くないという状況には、下記のような理由が考えられます。
- 給料が安い
- 評価制度の納得感が薄い
- 職場のコミュニケーションに課題がある
- 仕事を通したスキルアップが難しい
- 会社の経営方針が不明
- 仕事の裁量権がない
- 失敗するのが怖い
- 残業が多く疲労が溜まっている
- リモートワークが集中できない
それぞれの理由について詳しく見ていきましょう。
給料が安い
給与の低さはモチベーションが上がらない要因になりえます。
入社時に給料の金額に納得して入ったとしても、安い給料のまま据え置かれていると次第にやる気が出なくなり、仕事に対するモチベーションが低下していきます。いつの時代も、「給料が安い」というのが転職理由の上位にランクしており、モチベーションに関わる重要な要素です。
企業側とすれば、会社の業績が上がらないうちは給料を上げるのは難しく、一度上げてしまうと簡単に下げられないため、慎重になるのは当然のことです。
また、会社の経営陣が「人件費=コスト」と考えていて、低コストで企業経営する方針であれば、いくら業績が上がったとしても給料アップは望めません。
また、給料が高いか安いかは、会社の業績構造に関係する部分が大きいため、もし今「給与が安い」と感じている場合は、そのまま頑張って働いたとしても、大きく上がるのは難しいことが多いでしょう。
評価制度の納得感が薄い
人事評価がモチベーション低下の要因となるケースは少なくありません。評価の結果に納得感が薄く、「自分がなぜこの評価なのか」と疑問を感じて、上司や会社に対する不信感につながってしまうためです。
納得感が得られない評価には、下記のような原因があります。
- 評価基準がしっかり決まっていない
- 評価の理由が不明瞭
- 上司との信頼関係が構築できてない
- 他の従業員と比べて著しく低い
もしも会社から自身の評価に対して納得感が無い場合は、まずは直属の上司に相談して「自分は何を求められているのか」をしっかり数字に落とし込んで確認していきましょう。
職場のコミュニケーションに課題がある
職場のコミュニケーションの問題は、従業員のやる気に大きく影響を及ぼしており、「社内の人間関係」は、給料の安さと並んで退職理由の上位となっています。
コミュニケーションがうまくいっていない職場では、下記のような問題があります。
- 人間関係のトラブルが発生しやすい
- 従業員が意見を言い出しにくい
- 新しいアイディアや取り組みが出てこない
- お互いに無関心になり、スキルアップできない
- メンタルの不調に陥りやすい
コミュニケーションがとりにくい職場に毎日通うのは、多くの人にとって苦痛になります。そのため、モチベーションを減退させる大きな要因の一つとなるでしょう。
仕事を通したスキルアップが難しい
仕事を通したスキルアップができない環境では、やる気を持ち続けるのは難しくなるでしょう。たとえ給料が安かったとしても、その職場で貴重なスキルアップの機会があるのであれば、それが仕事のモチベーションになります。
しかし、何年間も同じような仕事を繰り返し続けるばかりだと、スキルアップができず将来が不安に感じることが多くなります。
将来のキャリアパスが明確に示されず、ただ仕事をさせられるだけでは、やる気を維持するのは難しいでしょう。
会社の経営方針が不明
経営方針や経営理念が明確でない企業では、目先の仕事に振り回されることになりがちです。長期的な目標や行動指針がないため、どこを目指せばいいのかがわからず、従業員のモチベーションの低下につながる可能性があります。
経営方針が不明な企業というのは、行き当たりばったりで経営が行われている「成り行き経営」ともいえます。「経営方針を立ててもその通りに行くわけではない。やりながら考えればいい」と思って明確な企業の方針を立てない経営者なのかもしれません。
しかし、これでは企業は成長しません。従業員も、自身が勤める企業は何を実現しようとしているのか、自分はこの会社で何のために働いているのかが見えません。
とりあえず利益が上がればいい、という成り行き経営では従業員のモチベーションを維持するのは難しいです。
仕事の裁量権がない
仕事の裁量権がないのもモチベーションをなくす原因になります。
仕事のやり方や仕事のペースなどで自分のやり方が認められず、すべて上司や会社からの指示に従うばかりでは大きなストレスです。
人間は、誰かにコントロールされる状態が続くと、意欲がなくなり苦痛を感じるようになるのです。
きつい仕事であっても、裁量権があれば自分でコントロールができるので、やる気を維持することができます。しかしいちいち上司の指示で動くだけの状態では、次第に嫌気がさしてモチベーションが低下していくでしょう。
裁量権が与えられる仕事は責任も重くなりますが、その分やりがいもあります。結果としてうまくいかなかったとしても、次は頑張ろうというやる気も湧いてきます。
裁量権があるかどうかは、モチベーションとやる気に大きく影響している要因のひとつです。
失敗するのが怖い
仕事にミスはつきもので誰でも失敗するものです。しかし、あまりに失敗に対して厳しいと、従業員の気持ちが萎えてしまい、頑張る気持ちが湧かなくなる可能性があります。
失敗した後に上司の叱責が続き、何度も何度も注意されると、次第に失敗が怖くなりやる気も失われていきます。
他の人ができているのに自分だけがうまくできずに失敗してしまうと、周りの目も気になって孤立した気持ちになるものです。
失敗に非常に厳しい職場に長くいると、失敗しないことを優先するようになり、新しいことにチャレンジしようとするモチベーションは失われていくでしょう。
残業が多く疲労が溜まっている
残業が多く、寝不足が続いて疲労が溜まっていくと、やる気が起きにくくなります。仕事の疲れは肉体疲労だけでなく、精神的な疲れとなって蓄積されていくからです。
長時間勤務が通常の職場では、新鮮な気持ちで仕事に取り組めなくなり、惰性で続ける状態に陥りがちです。
職場の皆が長時間働いていると、休みをとることに罪悪感をおぼえるかもしれませんが、やる気をキープするためには適切な勤務時間と休息が必要です。
どれだけ体力に自信がある人でも、オンとオフの切り替えが重要です。無理に頑張り続けていると、やがてどうやってもモチベーションを上げられない状態になるかもしれません。
リモートワークが集中できない
リモートワークが普及し歓迎する声がある一方、リモートワークだと集中できない、仕事に対するやる気が起きないと思う人も少なくありません。
オフィスに来れば周りの人もいて、仕事をやろうという雰囲気になります。しかし自宅だと仕事とプライベートの区分けができず、仕事モードに入らないようです。
仕事の時間なのに家族と話をしてしまったり、スマートフォンやテレビを見て無駄な時間を過ごしてしまったりしたという話はよく聞かれます。
遅刻を気にしなくていいので、規則正しい生活リズムが崩れてしまうことも珍しくないようです。リモートワークには集中力を削ぐ要因が多く存在しています。
仕事のモチベーションをあげるための具体的な方法
やる気がない状態で仕事をしていては成果が上がりません。モチベーションが上がるのをただ待っていても、なかなかやる気は出てこないでしょう。
前提として、やる気が出ないのを環境のせいにしていては、損をするのは自分です。そのため、仕事をしていくうえでは、自身のモチベーションをコントロールするための努力や工夫をしていくことが求められます。
ここでは、モチベーションを高め仕事にやる気を出すための具体的な方法を紹介していきます。
- モチベーションが上がらない理由を整理する
- 中長期的なキャリア設計を行う
- 目標設定を行う
- 上司に相談を行う
- 資格の取得を目指す
- 行動量を増やす
- リモートワークの環境を働きやすいように整える
- 休暇を取ってリフレッシュする
- 転職する
上記のモチベUPの方法について、詳しく解説していきます。
モチベーションが上がらない理由を整理する
まずは、自分のやる気が出ない理由を洗い出し、整理してみましょう。やる気が出ないのには何かしらの理由があるはずです。しかし、その理由は一つではないかもしれません。自分に当てはまりそうな原因をすべて書き出してみることです。書き出されたものを細かく分析し、自分のやる気に一番影響を与えている要素はどれかを探っていきます。
自分のやる気に一番影響がありそうな要素が判明すれば、対策もしやすくなります。やみくもにあれこれ試すのではなく、まずは自己分析をしてやる気が出ない理由を整理しましょう。
中長期的なキャリア設計を行う
中長期的なキャリア設計を行い、将来のなりたい自分の姿を描くことで、やる気アップにつながりやすくなります。
目先を考えればやりたくないと思うような仕事も、この先の未来につながると考えればやる気を持って取り組めるかもしれません。
「自分がこの先どんな仕事をしたいか」「どんな状態になりたいか」を明確にイメージすることが重要です。
実現できるかどうかは置いておいて、まずは自分の理想の状態を描いてみましょう。そこでワクワクする気持ちになれば、やる気が少しずつ上がってきます。
目標設定を行う
適切な目標設定は、モチベーションアップに効果があります。
米国の心理学者エドウィン・ロックが提唱する『目標設定理論』では、モチベーションに影響を及ぼす適切な目標設定の要素として、以下の3点をあげています。
- やや困難な目標であること
- 目標が明確であること
- 適切なタイミングでフィードバックを行うこと
この要素を満たす目標設定ができれば、自ずと積極的に仕事取り組むようになるでしょう。
「会社において自分は何を求められているのか」「評価されるためには何が必要か」を明確にしたうえで、数字で表せる目標が設定できれば、モチベーションアップが期待できます。
上司に相談を行う
自分のことをよく理解してくれている上司であれば、思い切って相談してみると解決策を提案してもらえる可能性が高いです。
上司自身も過去に、仕事に対するやる気が出ない、仕事のモチベーションが全くない、といった経験があり、それを乗り越えて今のポジションにいるのです。
一度時間をとってもらい、「仕事に対してモチベーションが全くない」ことを相談し、上司がどうやって乗り越えたのか話を聞いてみましょう。
今の業務がマンネリ化してやる気が出ないのであれば、違ったポジションへの提案があるかもしれません。
資格の取得を目指す
仕事がマンネリ化して、自分のキャリアプランや進むべき方向性が見えないと、やる気が出ない状態になりがちです。そういった場合には、資格の取得を目指すのも解決方法の一つです。
仕事に活かせる資格の取得を目指すことで、仕事の質が上がり、スキルアップにつながります。
働きながらの資格取得は時間の調整が必要ですが、資格取得という明確な目標がでれば、新たなやる気が湧いてくるかもしれません。また、資格を活かした新たなキャリアがイメージできる可能性もあります。
ただし、本当に仕事に役立つ資格は限られており、取得も簡単ではありません。それでも本気で取得したいかどうかは、あらかじめしっかりと検討する必要があります。
行動量を増やす
失敗が怖くなってやる気が出ない状態になると、徐々に行動量が減ってしまいます。
行動量の低下は、仕事の質の低下にもつながりやすく、失敗を恐れることで悪いパターンにはまってしまう可能性があります。
こうした状況を打破するためには、失敗してもいいのでまずは行動量を増やしていきましょう。
頭であれこれ考えてみても、悪いほうに考えが行くばかりで状況は変わりません。とにかく行動し続けていると、新たに課題と解決策の糸口が見えてきます。そこに自分が取り組めばモチベーションを高めていけるでしょう。
リモートワークの環境を働きやすいように整える
リモートワークで集中できず、やる気が出ないのであれば、できるだけオフィスに出社して仕事をするように調整することのも有効な打ち手のひとつです。
ただし、どうしてもリモートワークをしなければならないのであれば、自宅の環境を整え、仕事に集中しやすくしましょう。
パソコンの周りにプライベートのものを置かないようにする、部屋に仕切りを作って仕事スペースにする、といった工夫をしてみるのがおすすめです。仕事で使う椅子をワークチェアに買い替えるだけでも、モチベーションが上がるので試してみてください。
それでもやる気が続かないようであれば、シェアオフィスやコワーキングスペースなどを利用すると仕事モードになりやすいでしょう。近年では、駅の構内やカラオケボックス内にもリモートワークができる環境ができているため、地域によっては気軽に利用することが可能です。
自宅以外にも仕事ができるスペースを見つけておき、いざという時はそちらに移動して仕事をするようにしましょう。
休暇を取ってリフレッシュする
心身の疲労が溜まってくると、次第にやる気が出なくなります。疲れを抱えたまま長時間勤務を続けていると、蓄積した疲労によってメンタル面にも影響が及ぶことがあります。
頑張りすぎは健康を害する原因にもなるので、たまにはゆっくり休暇を取ってリフレッシュすることが必要です。
休みで大切なことは、疲れをとることですが、寝すぎは逆に体のリズムを狂わせ疲労感の原因となることがあります。長時間寝ることよりも睡眠の質を高めることを考えたほうがよいでしょう。
寝る前には、脳を休めるためにパソコンやスマートフォンを見るのをやめたほうがよいです。リラックスするためゆっくりお風呂につかり、静かな環境で寝るのがおすすめです。
深く眠れると朝起きたときの気分がすっきりして、またモチベーションが湧いてきます。疲れてやる気が出ないと感じたら、リフレッシュのために休暇を取りましょう。
転職する
給料が安い、職場の人間関係やコミュニケーションに問題がある、といった自分では解決できないことが原因でやる気が出ないのであれば、転職も選択肢の一つとなります。
モチベーションが全くない状態で嫌々仕事を続けているよりも、新しい職場で心機一転するほうがよいと判断できれば、転職する方向で考えてみましょう。
ただし、衝動的に仕事を辞めたり、思いつきで違う仕事についたりすると、失敗して後悔することになりやすいです。転職した先でもモチベーションが上がらず、再転職するような事態は避けなければなりません。
やる気が出ないからすぐに転職するのではなく、じっくり考えて慎重に進めていきましょう。転職は人生にとって大きな転機です。十分に準備をして計画的に進めることをおすすめします。
モチベーションが全くないまま仕事をすると何が起きるのか
生活していくためには仕事をしなければならいないのは当然ですが、やる気やモチベーションがない状態で仕事を続けているどうなるでしょうか。
長い目で見ると多くのデメリットがあります。
仕事が楽しくなくなる
モチベーションが低い状態のまま仕事をしていると、仕事が楽しいと感じることがなくなります。仕事の面白さを感じることなく、単に惰性でこなすだけになってしまいます。そうした取り組み方では結果もでないため、余計に仕事がつまらなくなってしまうでしょう。完全に負の連鎖です。
集中することなく仕事をしているとミスも出やすくなります。大きな失敗をして叱責をうけることもあるかもしれません。それで更にやる気がなくなるでしょう。
仕事の時間は一日の大半を占めており、人生において多くの時間を仕事に使うことになります。そのため、やる気がないままに仕事を続けていては、多くの時間を楽しくない状態で過ごすことになります。人生そのものがつまらなくなるかもしれません。
スキルが身につかなくなる
仕事に対してやる気がないと、自分を高めて質の高い仕事をしよう、仕事のやり方を工夫してより多くの仕事をこなそうという意欲がなくなってしまいます。スキルを身につけて、さらに仕事の範囲を広げたり、高度な仕事ができるようになろうとしたりする気持ち生まれないでしょう。
とりあえずやればいいと惰性でこなすだけでは、成長する機会を失ってしまいます。
結果的に、転職市場における自分の価値は下がってしまい、思うような転職もできなくなる可能性があります。
この先のことを考えた場合に、スキルが身につかないのは大きなマイナスです。
メンタル不調の原因となる
やる気が出ない、モチベーションが全くない状態であっても、給料をもらっている以上は仕事をしなければなりません。無理やり自分を動かして仕事をしている人もいるかもしれません。
しかし、そうした無理なやり方を長く続けているとどこかに歪みが生じます。精神的なストレスからメンタル不調に陥ってしまうケースも考えられます。
一度メンタル不調になると、回復までには相当な時間が必要になります。数か月の休職になることも珍しくありません。
近年ではメンタル不調で長期休業している従業員の割合が高まっており、厚生労働省の労働安全衛生調査によると、過去1年間にメンタルヘルス不調を理由に連続1ヵ月以上休業した労働者又は退職した労働者がいた事業所割合は、平均で9.2%です。この割合は、年々増加傾向にあります。
メンタル不調になると、転職活動も思うようにはできなくなります。健康維持は何よりも大切にしなければなりません。
仕事のモチベーションが全くない際の転職活動の注意点
今の仕事のモチベーションがないことから、転職を考える人も少なくないでしょう。しかし、安易に仕事を辞めてしまったり、思いつきで新しい職に就いてしまったりして後悔するケースも珍しくないのです。
もし転職するのであれば、次の仕事では意欲を持って働けるように、事前にしっかり準備をして計画的に進める必要があります。
ここでは、仕事のモチベーションがない歳の転職活動の注意点を紹介します。何度も転職を繰り返すことにならないように、しっかり確認しておきましょう。
モチベーションが上がらない要因を確認する
本格的に転職活動をする前に、やる気が出ない要因を明らかにしておきましょう。今の職場に問題があり、環境が変わればモチベーションが高めて仕事取り組めるということであれば問題ないですが、やる気が出ない要因が自分にある場合は、転職しても変わらない可能性が高いです。
まずはしっかり自己分析を行い、何が原因でやる気が出ないのかを確認します。そして、自分がどうなりたいのか、どういう働き方をしたいのかなどの将来像を明確にしておきましょう。
適性のある職種や業界で転職する
転職する場合には、自分に適性がある職種や業界を選ぶことを重視するとよいでしょう。自分に合わない仕事は、働くストレスが大きいため、長く続けるのが難しいからです。逆に、自身に適性のある仕事であれば、モチベーションを高く仕事を出来る可能性が高いといえます。
自分の適性を知るには、しっかりと自己分析を行うことです。自分の強み・弱みを洗い出し、将来行きたい方向なども考えて検討してみましょう。
また、職種や業界の知識が不足していると考えが限定されますので、積極的に情報収集しておくとよいでしょう。
仕事のモチベーションが全くなかった人の体験談
ここでは、キャリアバディマガジン編集部で独自のアンケート調査した「仕事のモチベーションが全くなかった人」の体験談を紹介していきます。
経営方針への不信感がモチベーション低下へ
私は大手調剤薬局で薬剤師をしていました。
最初は薬剤師として働くことに喜びを感じていましたが、コロナ禍で会社の方針と自分の理想にズレが生じ、モチベーションを失いました。
会社は加算を多く取るためのサービス提供を重視していましたが、私は患者に本当に必要な
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ことをしたいと感じるようになりました。
その結果、退職して自分の価値観に合う会社に転職しました。
現在は、大手薬局ではできない理想のサービスを提供する会社を設立する夢を持ちながら働いています。
他の企業と連携し、薬局の人件費負担軽減システムの構築や患者サービス向上の事業を進めようと考えています。
(33歳男性・薬剤師)
休職中に自分と向き合い転職を決意
私は8年間小学校教諭を務めましたが、異動で不安な状況に直面しました。
新しい学校は遠く、6年生の担任として未経験の仕事も多く、毎日が試練でした。
残業や休日出勤が続き、指導力の差を保護者や児童に指摘され、完全に自信を失いました。
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仕事のモチベーションは低下し、疲れとストレスで笑顔も減りました。
解決策を探し、授業の工夫や無理をせずに休息を取るよう努力しましたが、最終的に心身共に限界に達し、休職しました。
休職中、自分と向き合い、教員を退職し転職を決意。
現在は好きな仕事に就き、心身の健康を保ちながら働いています。
モチベーションを維持するためには、まず自分の心の声を大切にし、リフレッシュすることが重要だと学びました。
今後も自分の強みや弱みを見つけ、「好き」と感じる仕事を続けていきたいです。
(33歳女性・フリーター)
上司のパワハラでモチベーションは最低に
私は病院で医療専門職として勤務しており、5年前に主任に昇格しました。
課長と共に部下の教育を担当していましたが、課長は性格に癖があり、部門内外で評判が芳しくなく、私の行動に対しても厳しい態度を取っていました。
私が業務で質問すると「前にも言ったよね?」高圧的な態度をとり、
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さらには「これだから使えない」とまで言われることもありました。このようなパワハラでメンタルがやられ、仕事のモチベーションは最低でした。
退職を考え、院長に相談すると、院長は「ハラスメントを見過ごせない」と言い、課長に対し厳しい指導が入りました。
数日後、課長は退職願を出し、受理されました。
その後、部門の雰囲気は穏やかになり、私のモチベーションも回復しました。
今では、毎日楽しく部下と仕事に励んでいます。
(48歳男性・医療専門職)
「新人に負けられない」とモチベーション復活
大学卒業後、私はプラスチック加工工場にオペレーターとして入社しました。
初めての工場勤務で、人見知りな性格もあり、不安を抱えながら入社しました。
当時、私を指導してくれたのは3つ年上の男性先輩で、丁寧に仕事を教え、積極的に話しかけてくれる尊敬できる人でした。
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しかし、10年後、その先輩が家庭の事情で退職することになり、私は大きなショックを受けました。先輩が辞めてからはモチベーションが下がり、ミスも増えました。
そんな時、新人が私の部署に配属されました。その新人は私より10歳以上若く、工場勤務は未経験。
自分の入社時を思い出させる存在でした。新人は勉強熱心で仕事の覚えも早く、指導しているうちに「この子に負けていられない」という気持ちが芽生え、モチベーションが復活しました。
(40歳男性・製造業)
行動目標の設定と細分化でモチベーションを維持
新人の頃、新規開拓の営業電話が大嫌いでした。
100件かけてもアポが取れるのは1〜2件で、ほとんどの人は冷たい対応や怒鳴り声で返してきました。
そんな時、私のモチベーションを上げた3つの方法があります。
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まず、「売上目標」ではなく「行動目標」にフォーカスしました。
売上はお客様次第ですが、行動は自分次第です。1日の売上目標を「1日○○件の営業電話をかける」に変え、行動を増やすことで成果を実感できました。
次に、目標を細分化を行いました。1日300件の電話目標を「まずは5件、次に10件」と小さな目標に分けることで、モチベーションを維持しました。
最後に、目標達成後に自分に小さなご褒美を出すようにしました。
例えば、目標を達成したらコンビニでスイーツを買うなど、楽しみを設定して頑張る意欲を高めました。
(34歳男性・営業)
仕事のモチベーションが上がらない時はキャリアの専門家に相談!
仕事のやる気が出ない状態は、自分でも苦しいですし、周りにも悪影響を及ぼします。自分一人で悩んでいてもなかなか答えが見つからず、悩みから抜け出せないかもしれません。
キャリアの悩みがあるときには、一度キャリアの専門家に相談してみることをおすすめします。
キャリアコンサルタントやキャリアコーチは、豊富な知識と経験から、自分が進むべき方向性ややるべきことについて、的確なアドバイスをしてくれます。
話を聞いてもらうだけでも気持ちが楽になり、前向きに考えられるようになるでしょう。
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仕事のモチベーションが全くない時の原因と対処方法まとめ
誰しも仕事をしたくない時ややる気が出ない時があるものです。しかし、そうした状態が長く続いていては、自分のためにならないことに加え、一緒に働く人にも悪い影響があります。そして何より自分の将来にもマイナスの作用があります。
やる気が出ない原因が何か、どうすれば自分が生き生きと働けるのかをしっかり考え、もし環境を変える必要があれば、転職を考えていくようにしましょう。
また、自分一人であれこれ考えるだけでなく、経験豊富なキャリアの専門家に相談してみることも併せて検討してみるとよいでしょう。
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