転職活動をしていて何社受けても受からない状態が続くと、転職できないのではないか、自分は評価されないダメな人間なのではないかと、気持ちがネガティブになってしまいます。
何が原因なのか、どうすれば受かるのか、いろいろ考えていると答えが見つからず、余計に気持ちが滅入ってしまうかもしれません。
しかし、転職活動で受からないのは当たり前でよくあることです。すぐに決まらなかったとしても気にする必要はありません。
この記事では転職で受からないのは珍しくないことや、なぜ受からないのかの理由を応募書類と面接の両面から探り、対策について紹介します。
転職活動がうまくいっていない人は、ぜひ最後まで読んで参考にしてみてください。
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転職活動で選考に受からない応募書類の問題点
転職に受からない理由を考える場合には、応募書類と面接を分けて考えたほうがよいでしょう。
書類審査に通らない理由としては、下記のようなことが考えられます。
- 短期間に離職したことがある
- 十分なスキルや経験がない
それぞれ解説します。
短期間に離職したことがある
過去の経歴を見たときに、短期間で離職したことがある人や、年齢の割に転職回数が多い場合は、採用担当者の印象が悪くなってしまいます。
「以前すぐに辞めたことがあるから、うちの会社で採用してもすぐに退職するかもしれない」と思われて、書類選考で落とされている可能性があります。
企業側としては、採用や育成にはそれなりにコストがかかるため、短期離職を避ける必要があります。そのため、書類を見てリスクがありそうな人の採用は慎重になります。
もし自分に当てはまるようであれば、転職エージェントを通じて応募してみてみるとよいでしょう。転職エージェントは、あなたと会った際の印象や感じたことを、応募先の採用担当者に推薦し伝えてくれます。
転職エージェントに登録すると必ず面談の機会がありますので、そこで自分をしっかりアピールし、仕事に対する意欲があることや、長く続けていこうという想いを伝えてみてください。
十分なスキルや経験がない
異業種や未経験の職種に応募する場合には、書類審査に通るのが難しいのはやむを得ないことです。中途採用をする場合に企業側は即戦力になる人材を探していることが多く、スキルや経験がある応募者を優先します。
自分のキャリアがどの程度なのか、また応募できる職種には見合っているのか、といったことは自分だけでは分からないものです。キャリアの専門家と相談し、必要なレベルを確認しておくとよいでしょう。
また、スキルや経験が不足していたとしても、そこを補うものが自分にあれば、そこをアピールするように転職エージェントに依頼し、推薦してもらうのもひとつの方法です。
転職に受からない際の面接の問題点
面接に問題があって受からない場合には、主に下記のようなケースが考えられます。
- 自己紹介で失敗してしまう
- 自己PRが不十分
- 志望動機があいまい
- 転職理由に問題がある
それぞれについて解説します。
自己紹介で失敗してしまう
面接では必ず自己紹介から始まりますが、ここで失敗してしまうケースが少なくないようです。
自己紹介の失敗には2つのパターンがあり、長すぎる場合と面接に関係ない話をしてしまう場合があげられます。
自己紹介では、氏名を述べた後、自分の経歴を1分程度で簡単に紹介します。ここで意気込んで長めの自己PRを盛り込んでしまうと印象がよくありません。
自己紹介では、これまでの経歴を説明しながら、自己PRにつながるようなキーワードを盛り込んでおくと話が広がりやすくなります。
面接する企業に合わせて、自己紹介の文言を事前に組み立てておくことが、好印象につながります。
自己PRが不十分
自己PRが不十分で面接がうまくいかない場合には、下記のような理由があります。
- 実績があっても具体的な成功理由を説明していないので信ぴょう性がない
- アピールしたいことを盛り込みすぎて話がまとまらない
- 企業側が求めていないことをアピールしてしまった
- 実務的な話よりも熱意のPRに終始した
こうした失敗をしないためにも、企業が求めている経験やスキルを踏まえて、どのようなPRが効果的かを考えて事前に用意しておきましょう。
また、実績を通じて自分をどう見せるのがいいのかも、しっかりと考えておくことをおすすめします。
志望動機があいまい
志望動機があいまいだったために、面接がうまくいかないケースも少なくありません。
志望動機がどこの企業にも当てはまるようなものであれば、面接官にはまったく響きません。それどころか、面接に向けて十分な準備をしていないと思われても仕方がないでしょう。
志望動機を聞かれた際には、なぜその企業を選んだのか、入社後はどのような仕事をしたいのか、自分がどのようなことで貢献できるのかを具体的に話すことです。
その企業のことをしっかり調べたうえで、自分の強みを絡めた志望動機を話すと説得力があります。
事前に十分準備しておくことと、的確な自己分析ができていることがポイントになります。
転職理由に問題がある
転職理由に問題があって、面接の印象を落としているケースも考えられます。
会社への不満、人間関係の問題などを転職理由にしている場合は、新たに入社した後も同じようなことで退職するのではないかと思われてしまうものです。
また、仕事に対する取り組みが後ろ向きととられる理由の場合なども、印象が悪くなります。
転職の実際の理由に、こうしたネガティブな面があったとしても、その部分ばかりを伝えるのは得策ではありません。
転職で実現したいことがあることや、将来のキャリアプランに関連付けたことなど、前向きな点を伝えることが重要です。
面接ではこんなところも見られている!
面接では、自己紹介や自己PRなどで話す内容だけでなく、見た目や話し方などもチェックされています。今一度確認しておきましょう。
身だしなみ・服装
面接の際には、カチッとしたスーツで臨むことが多いかと思います。
身だしなみはきちんとしているつもりでも、自分では気がつかないところで、できていないことがあります。そのため、面接の前には以下のポイントに沿ってしっかりチェックしておきましょう。
- ズボンの折り目が消えていないか
- ネクタイが緩んでいないか
- 靴がきれいに磨かれているか
- 上着にフケが落ちていないか
- シャツにアイロンがかかっているか
- 髪に寝癖が付いていないか
受け答えの姿勢・口調
面接の際の姿勢や口調も見られています。猫背でうつむき加減の人は、どうしても暗い印象になってしまいます。顔をあげて背筋を伸ばし、面接官に体を向けて座りましょう。
相手の目を見て話すのが苦手であれば、顔全体をぼやっと見るような感じでも問題ありません。
緊張すると早口になってしまう人や、声が小さくなってしまう人、口が開かず声がこもってしまう人が多いので、面接の練習では口調や声にも注意しておきましょう。自分の話し方を一度ビデオに撮って見てみると、どこがよくないのかがはっきりわかります。
転職エージェントなどでも模擬面接をしてもらい、話し方の練習をしておくことをおすすめします。
面接のための事前準備
本当にやりたい仕事であれば、仕事内容や企業の概要などは、事前にしっかり調べてあるはずです。
企業のサイトを見ればわかるようなことを質問しているようだと、準備が十分にできていないことが簡単にばれてしまい、「就職意欲が低い」という印象を与えてしまう可能性がありまs。
業界や企業の知識を蓄えて、面接のシミュレーションを行っておくと、志望動機や就職意欲をよりはっきりと伝えられるでしょう。
転職活動成功のための5つの対策
転職活動しているけれども受からないという人は、下記の5つの対策をしてみると改善される可能性が高まります。
- 転職の軸を明確にする
- 応募数を増やす
- 十分な自己分析を行い自分の強みを把握する
- 応募書類を添削してもらう
- 面接の練習を行い、フィードバックをもらう
それぞれについて、解説していきましょう。
転職の軸を明確にする
転職で何を実現したいか、転職する際にどうしても譲れない条件は何か、といったことが「転職の軸」です。転職活動を始める前には、この「転職の軸」を明確にしておかなければなりません。
なぜなら、転職の軸がないと判断基準がないので、その場での行き当たりばったりになる可能性があるからです。
もし、転職の軸を定めないまま転職活動をしていて、受からないことで悩んでいるのなら、まずは転職活動を少しお休みしてもいいので、この転職の軸をしっかり定めることから再スタートしてみるとよいでしょう。
転職の軸を決めるには、転職に対する自分の価値観が問われます。納得する答えが見つかるまで焦らずにじっくり考えましょう。転職が成功するかどうかは、転職の軸が見つけられるかどうかに大きく左右されるといえるでしょう。
応募数を増やす
1社の内定が決まるまでには、20社以上の応募が平均といわれており、人によってはもっと多くの応募が必要です。複数の内定から選びたい場合には、さらに多くの応募をする必要があります。
転職活動では、応募しても受からないことのほうがはるかに多いです。応募しても受からないことを見越して応募数は多めに考えておくようにしましょう。
特に30代以降は次第に条件が厳しくなり、採用の枠が狭くなっていきます。20代であればすぐに決まるような場合でも、30代40代は相当な数の応募をしなければ、自分に合った転職先には出会えないと考えて活動をしていきましょう。
十分な自己分析を行い自分の強みを把握する
転職活動の基本は自己分析をしっかりやり、自分の強みを把握することです。
自分のこれまでの歩みや残した実績、得意なこと、好きなこと、やりたいことを書き出してみましょう。また、自分が将来に描くゴールや、こうなりたい姿、こうした働き方をしたいという想いも具体的に書き出します。
十分な自己分析が行われていないと、面接において何をアピールすればいいのかが、明確にならず、説得力が生まれません。
また、企業に対してどのように貢献できるかを考える場合にも、強みを軸に考えると伝わりやすくなります。
面接の場で面接官に伝わるアピールができていない場合には、改めて自己分析を行ってみてください。
自分一人では十分にできない場合は、転職エージェントやキャリアコンサルタントなど転職の専門家などと相談しながら分析を行うのもよいでしょう。
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応募書類を添削してもらう
応募書類を自分で作成したら、転職エージェントの担当者やキャリアコンサルタントなど、転職のプロに添削してもらうのがおすすめです。
これまで書類審査が通らなかったのは、書類の中にアピールする要素が盛り込めていなかったり、伝わりにくかったりしたのが理由かもしれません。
転職のプロは、これまで多数の応募書類を見てきた経験があり、どのように記載するのが有効なのかを知っています。
自分が書いた応募書類を添削してもらうことで、自分では気がつかなかった間違っているポイントを指摘してもらえたり、自分を魅力的に見せる書き方を教えてもらえたりする可能性があります。
転職エージェントを利用している方は、無料で添削してもらえるので、一度試してみるとよいでしょう。
面接の練習を行い、フィードバックをもらう
面接は練習すると上手になります。しかし一人ではなかなかできないので、転職エージェントなどに相手をしてもらうとよいでしょう。
練習の後には必ずフィードバックをしてもらい、質問に対する回答の内容だけでなく、口調や姿勢、表情、声量などもチェックしてもらうと効果的です。
その際には、応募する企業に合わせて、シミュレーションを行うのもおすすめです。
自分の姿は自分ではわからないので、面接の様子をビデオに撮って、自分で客観的な目で見てチェックしてみてもよいでしょう。多くの気づきがあるはずです。
スマートフォンで気軽に撮影しておいて、過去の映像と比較すれば、自分の進歩を実感できます。
転職に受からないのは珍しいことではない
転職で受からないのは当たり前のことです。応募しても受からないからといって落ち込む必要はありません。
一般的な転職の現状を確認しておきましょう。
転職の平均応募社数
大手求人サイトdodaによると、転職活動を始めてから内定までに応募した求人の数は平均して27.0社とのことです。この数字を見れば、転職活動で応募しても受からないのは珍しいことではないということがよくわかります。
転職に成功した人は積極的に求人に応募して内定にまでたどり着いているのが現実であるということです。
また、この調査では、1社の内定を得るためには5社の面接を受ける必要があり、そのためには22社に応募するのが平均とされています。
転職で落ちても人格否定されたわけではない
転職活動では応募しても受からないのは珍しいことではありません。
そうした状況がわかっていたとしても、何社応募してもなかなか書類通過しない、やっと書類が通ったと思ったら面接で落とされるといった状況が続くとショックもあり、精神的に落ち込んでしまうかもしれません。
しかし、転職で落ちても人格否定されたわけではありません。応募した企業と自分の職歴やスキルがマッチしなかったということだけなのです。
転職活動は粘り強く続けていく必要がある
転職活動を始めるにあたって、ある程度落ちることは想定しておいたほうがよいでしょう。
一般的に、転職活動に要する期間は3か月から半年が目安とされています。
その期間中には、応募しても受からない時期があると頭に入れたうえで、メンタルの状態を保って粘り強く続けていくことが大切です。
十分な対策をしても転職に受からない場合もある
転職では十分に対策をしたからといって、必ずしも受かるとは限りません。
採用企業と自身の双方のニーズが合わないとマッチしません。そこで、対策をしっかりやったのに受からない場合には、どのような理由があるのか確認していきましょう。
社風に合わない
応募した会社の社風が合わないと判断される場合は、対策をしていても受からない可能性が高くなります。
事前に調べて自分では社風に合うと思っていたとしても、相手先企業の考え方や文化は、外部からはわからないものです。
自分のスキルや経験、仕事に対する熱意を伝えたとしても、企業が長年にわたって培ってきた価値観と少しずれているということはよくあります。
しっかりと準備していても、社風に合わないとすれば、やむを得ないと考えたほうがよいでしょう。
スキルが合わない
中途採用である程度年齢が高い人の場合は、即戦力となることが求められます。
企業側が求めているスキルが、自分のスキルと少し違っていると採用に至らないケースがあります。
若手の採用であれば、多少の違いがあったとしても、社内で経験していくうちにスキルが身につくと考えて採用につながりやすいですが、ある程度の年齢の場合は、条件にしっかりマッチしていなければ採用に至らないケースも多いようです。
自分の持つスキルを評価してくれる会社、あるいはスキルの不足を他の部分でカバーできていると思ってくれる会社をじっくり探すことです。
タイミングが合わない
社風も仕事のスキルも合う感じがして、面接でもうまく話ができたと思っていたのに、採用にならないこともあります。
自分が面接する前に、すでに条件にぴったりの応募者が来ていて、ほぼその人で決まっていた場合など、応募のタイミングが合わずに受からないこともあります。
タイミングが合う・合わないというのは、運や偶然に左右されることですので、自分ではどうしようもありません。
応募件数を増やして、自分に合うところに出会う確率を高めていきましょう。
転職に受からなくてつらい時の気分の切りかえ方
転職活動で受からない状態が続くと、気持ちが落ち込んで続けるのがつらくなってくるかもしれません。この先どこも受からないのではないか、転職できないのではないかと不安になり、どこでもいいから決めたいと焦ったり、もう無理だとあきらめてしまう気持ちが生じたりします。
そうした心理状態のときに、気分を切り替える方法を紹介します。
無理に頑張らずしばらく休む時間を取る
心理的につらい状態が続いているようであれば、無理に頑張らずしばらく休む時間を取るようにしましょう。
強いストレスを抱えたまま一人で転職活動を続けていると、次第にメンタルの健康状態にも悪い影響を及ぼしかねません。
普段の仕事に加えて転職活動中はやることが多く忙しくなるため、疲れやすくなっています。
これ以上頑張るのがきついな、と思ったらいったん休んで、自分の中のエネルギーが復活するまで待つことも必要です。
結果にとらわれすぎない
不採用の通知が続くと焦りが生じてきて、次は何としても受かりたいと強いプレッシャーを自分にかけてしまい、余計にストレスを感じることになります。
そうした気持ちの余裕のなさが、面接に悪影響を及ぼすという悪い循環にはまっているのかもしれません。
やる前から結果にとらわれると、気持ちが空回りしてしまい、思うように行動できなくなります。
準備してきたことをしっかり出して、自分の思いを伝えることに集中しましょう。
自分の価値を見直して自信を取り戻す
不採用の通知が続くと、自分に問題があるのではないか、自分は必要とされていないのではないか、と思うようになり、自信を失っていく人もいるでしょう。
「たまたま縁がなかっただけ」と頭ではわかっていても、気持ちを立て直すのが難しくなってくるかもしれません。
そうしたときは、改めて自己分析した結果を見直し、自分の価値を確認してみましょう。これまでの実績や成果を思い出し、自分はここまでやったと自分で認めてあげることも大切です。
転職のプロに相談する
転職が決まらず、不採用が続くストレスを一人で抱えていると、余計にネガティブに考えたり、自信を失ったりして悪い循環に陥ってしまうことがあります。
全てを一人で抱え込まず、周りの人と相談してみると気持ちが軽くなります。
家族や友人に話すと心配をかけてしまうということであれば、転職エージェントやキャリアコンサルタントなどの専門家と話をする機会を持つのがよいでしょう。
話をするだけで頭が整理され、気持ちも前向きになれます。
転職活動で受からない理由と対策まとめ
転職活動で何社も受けているのに不採用の通知ばかりが続くと自分に何か問題があるのではないかと思ってしまうかもしれません。しかし、転職で受からないのは珍しいことではありません。
書類の対策、面接の対策をしっかりやって粘り強く転職活動を続けていくことが重要です。しっかり対策していても社風やタイミングが合わずに採用に至らないこともあるので、「縁がなかった」と切りかえて次に向かうことが重要です。
転職で受からないことに気持ちが落ち込んでしまった場合は、一度ゆっくり休んで自分を見つめなおし、自信を取り戻すことを優先しましょう。
苦しい時には、転職エージェントやキャリアコンサルタントなど転職のプロに相談し、上手に活用するのもおすすめです。
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