転職やライフイベントに対して「専門家に相談したい」と考えている人は多いのではないでしょうか。そんな時は、フラットに相談可能な「キャリア相談サービス」を利用すると良いでしょう。
本記事ではキャリア相談を利用したいと考えている人に向けて、キャリア相談のメリットや具体的な事例を解説していきます。
\ キャリアの悩みは専門家へ相談! /
キャリア相談とは?
「キャリア相談」、または「キャリアコンサルティング」とは、個人の職業的な進路や将来のビジョンに関する悩みや疑問を解決するための専門的な対話のことを指します。
この相談は、キャリアの方向性を明確にするだけでなく、自身の強みや適性を見つける手助けにもなります。
定義と目的
厚生労働省による「キャリアコンサルティング」の定義は、労働者の職業の選択、職業生活設計、職業能力の開発及び向上に関する相談に応じ、助言及び指導を行うこととされています。
キャリア相談の主な目的は、個人が自分のキャリアをより有意義に進めるためのサポートを提供することです。
参照:厚生労働省「キャリアコンサルティング・キャリアコンサルタント」
キャリア相談の形式
一般的には1対1の対話形式で行われることが多いですが、グループセッションやワークショップ形式での相談も存在します。自身に合った相談形式を選択しましょう。
相談の内容
キャリアの方向性、選択肢、将来のビジョンなど、多岐にわたるテーマが相談の内容として取り上げられます。
また、現在の職場での悩みや、転職活動に関する相談も多く行われます。
相談の対象者
キャリア相談は、転職を考えている人だけでなく、現在の職場でのキャリア発展やライフイベントとの両立を考えている人も対象としています。
人生の転機には是非キャリア相談の利用を検討してみるとよいでしょう。
「キャリア」ってそもそも何だろう?
日常でも使用する「キャリア」という言葉ですが、実は意味が誤解されているケースも多いようです。
ここでは「キャリア」の言葉が持つ意味について解説していきます。
「キャリア」の一般的なイメージ
皆さんは「キャリア」という言葉に対して、どんなイメージを持ちますか?
- キャリアアップに代表される、社内での昇格や昇進!
- 転職や異動をして、経験やスキルを積んでいくこと!
- 市場価値を上げて、今より年収アップを目指すこと!
これらのように、多くの人は『仕事』での『上がり下がり』をイメージするのではないでしょうか。筆者も以前はそのような印象を持っていました。「キャリア」について考えるのは、自分が転職をするときや、ごく一部の、意識が高い人だけだと考えていたのです。
しかし、国家資格キャリアコンサルタントを取得し学んでいく過程で、この「キャリア」という言葉のイメージはがらっと変わりました。
「キャリア」は多様な意味を持つ:語源は『轍(わだち)』
「キャリア」という言葉は、ラテン語の”carra”や古フランス語の”carriere”から来ています。これらは「道」や「大通り」という意味を持ち、日本語でいう「轍(わだち)」のように、馬車が通ると残る痕跡を示す言葉でもあります。
この語源から、国家資格キャリアコンサルタントを持つ人たちは、「キャリア」を、轍が示すような『人生の中での選択や経験が形成する道筋』の意味合いとして理解しています。
要は、私たちがこれまでに歩んできた道筋、そしてこれから進んでいく道筋、その全てを「キャリア」と捉えているのです。単なる職業的な成功や失敗だけでなく、人生全体の経験や学びを包括した、とても広い意味を持つ言葉です。
例えば、学生時代に取り組んだ研究や部活動、ボランティア活動や留学経験なども、キャリアの一部として考えることができます。これらの経験は、私たちの考え方や価値観を形成する上で大きな影響を与えています。また、家庭や友人との関係、地域社会での活動や趣味など、職業以外のさまざまな経験も、キャリアを豊かにする要素となっています。
「キャリア相談」を選択肢に持てるように
この記事の目的は、20代から30代前半の読者がキャリアに関する悩みや疑問を持った際に、「キャリアの専門家に相談をする」という選択肢を持ちやすくするためのものです。
- 仕事の悩みで「転職」以外の選択肢もあるかな?
- プライベートな悩みも重なって整理がつかない…
- 不安感はあるが、「悩み」をうまく言語化できない
- 誰に相談するのが適切かピンとこない
そんな時の出番が「キャリアの専門家」である「キャリアコンサルタント」です。
前述の通り、「キャリア」とは、選択や経験を含む全体的な『道筋』を意味します。これを踏まえると、「キャリア相談」もまた仕事だけに限らず、上記のような幅広い範囲の相談をすることができます。
多くの人が仕事に関する悩みを持つのは自然なこと。でもその悩みを深掘りすると、それが『仕事』だけに起因するわけではなく、多様な要因や背景、そしてあなたの価値観が関連していることが多いです。
このような悩みにどう対処するか、どう向き合うかは、キャリア相談やキャリアコンサルタントという選択肢を知ることで、ずいぶん対峙しやすくなります。
馬車に揺られて、人生を旅する姿を想像してみてください。
これまで訪れた街、選択を迫られた分岐点、迷いながら進んだ道の跡、そして遠くに見える次の目的地。これら全てを「キャリア」と称しています。
この記事では、「キャリア」を広義の『轍(わだち)』として捉えます。そして、まだ日本社会で一般的ではない「キャリア相談」について、国家資格を持つキャリアコンサルタントの視点から詳しくご紹介します。
キャリアコンサルタントとは?
「キャリアコンサルタント」とは、キャリア形成や職業能力開発などに関する相談・助言を行う専門家として、2016年4月より、職業能力開発促進法に規定された国家資格です。
また、法律上の守秘義務・信用失墜行為の禁止義務が課されている名称独占資格でもあります。
参照:厚生労働省「企業関係者へのキャリコン普及リーフレット」
つまり、「キャリアコンサルタント」とは、
- 国家資格を取得した人しか名乗れない
- 相談内容を口外しない『守秘義務』も負っている
- キャリアに関する相談・助言をする専門家
なのです。
転職エージェントとキャリア相談の違いは?それぞれの役割と特徴を解説
「キャリア相談」と言われると、多くの人がまず「転職エージェント」を思い浮かべるかもしれません。転職の相談を行い、自分の市場価値を知り、求人の紹介を受ける。このような流れを連想する方は少なくないでしょう。
しかし、キャリア相談と転職エージェントは、実は全く異なるサービスを提供しています。
それぞれの特徴や目的を理解することで、自分のニーズや悩みに合わせて最適なサービスを選択することができます。
転職エージェントの役割と特徴
転職エージェントは、主に転職を希望する人向けのサービスとして提供されています。彼らの主な役割は、求職者と求人企業をマッチングさせ、転職活動をサポートすることです。基本的に無料で利用することができます。
ではどのように収益を得ているかというと、求職者が新しい企業に入社する際に、その企業からエージェントに支払われる「紹介手数料」です。”企業”こそが収益源となるお客様なんです。転職が成立しないと収益が得られないため、多くは転職を前提としてサービス提供されています。
もしあなたが、転職することを決めており、具体的な行動段階にあるなら、「転職活動」をする上での強い味方になります。
しかし、まだ転職を決めていなかったり、転職以外の選択肢や可能性を検討したい場合、または「仕事」の枠を超えた包括的な悩みをお持ちの場合には、最適な相談先とは言い切れません。
キャリア相談の主な目的と提供するサービス
一方、キャリア相談では、キャリアにまつわる様々な疑問や悩みを取り上げることができます。この相談は専門家との1体1の対話が主となり、その対話や提供される情報自体が価値を持つので、多くは有料でのサービス提供となります。
また、キャリア相談は転職を目的とするものだけではありません。現在の職場でのキャリアアップや、結婚や出産などのライフイベントとの両立、さらには副業や起業の検討、資格取得やスキル獲得に関する目標設計についての相談も含まれます。これは、「キャリア」という言葉が持つ幅広い意味を反映しています。
キャリア相談を利用することで、自身のキャリアの方向性や選択肢、さらには将来のビジョンについて深く考える機会を得ることができます。専門家との対話を通じて、自分自身のキャリアに対する考え方や価値観を再確認し、より明確な方向性を見つける手助けを受けられます。ご相談内容によっては、行政サービスや士業、特定分野に強いキャリアコンサルタントなどの紹介(リファー)を受けることもできます。
つまり、転職エージェントは「具体的な転職活動のサポート」を目的としたサービスであり、キャリア相談は「キャリア全体の方向性や選択肢」を考える場となります。
あなたの現在の状況や将来の目標に合わせて、どちらのサービスを利用するかを選択することが重要です。
有料のキャリア相談のメリット
無料で相談に乗ってくれる場があるにも関わらず、有料の相談を選ぶメリットとは何でしょうか?
大きくは、以下の二つがあります。
- 利益相反をなくすこと
- 専門性とサービスの質を担保すること
一つずつ解説していきます。
中立的で利益相反のないサービスを受けられる
まず、有料のキャリア相談サービスは「あなたのためだけの時間」として提供されることが挙げられます。
サービスを受ける人と支払う人が一致することで、他の利害関係を排除し、純粋にあなたのキャリアの成功を第一に考えるアドバイスやサポートが期待できます。
キャリア相談に限らず、無料でサービスを受ける際、無料サービスを支えるビジネスモデルや、何らかの代替となる価値の提供が存在します。
例えば、テレビの無料視聴は企業のCMによって成り立っていますが、月額料金制の動画サブスクリプションではCMなしで視聴できます。
また、無料のオンラインゲームは、ゲーム内アイテムの購入を通じて収益を上げており、ゲーム内通貨を購入することで有利にプレイできます。
このように、「無料相談」も似た構造を持っています。集客や情報収集のために無料相談を行い、実は他の商品やサービスへの導線として機能していることも少なくありません。また、転職エージェントのように、本当の「顧客」が別に存在する場合も考えられます。
だからといって提供サービスの質や満足度と直結するわけではありませんが、相談相手の立場やポジショントークを気にかけて、情報やアドバイスを素直に受け取れない要因になり得ます。
真に中立的で、自分の利益を最優先に考えてもらうサービスを受けるためには、受け手と支払い手が一致することが重要です。
提供サービスの専門性と質への担保
次に、「サービスの専門性と質への担保」となることも重要です。
有料でのキャリア相談は、受け手としての期待値が高まるだけでなく、提供者にもその価格に相応しいサービスを提供する緊張感や責任感をもたらします。この相互の期待と責任が、サービスの質を高める要因となります。
具体的にはどんな担保がなされるのでしょうか?
専門的な知識と経験
キャリアコンサルタントは、多様なキャリアの悩みや疑問に答えるための専門知識を持ち合わせています。
この専門性は、一定以上の時間をかけた研鑽と経験から培われるものであり、有料サービスとしての対価となります。
個別のサポート
キャリア相談は、単なる情報提供だけではありません。
相談者の独自の状況や悩みを深く理解し、万人に向けたものではなく、あなたに個別化したアドバイスを提供することができます。
守秘義務の安心感
守秘義務とは、情報を知った者がその内容を他者に漏らしてはならないという法的な義務を指します。簡単に言えば「秘密を守る義務」です。
国家資格を持つキャリアコンサルタントは、この義務を法的にも倫理的にも守る必要があり、違反すると罰則も科されます。
守秘義務があるからこそ、相談者は自らの悩みや疑問を安心して他者に打ち明けられるとも言えます。
キャリア相談で実感できる4つのポジティブな効果
キャリア相談を受けることで、どのような変化や効果を得られるのでしょうか?
ここでは代表的な以下の4つの効果をご紹介します。
キャリア相談の効果
- 自己理解が深まる
- 多様な選択肢を得られる
- 具体的な目標設定と行動に移すサポートが得られる
- 中立的で秘密を安心して相談できる相手の存在の獲得
それぞれ詳しく解説していきます。
自己理解が深まる
キャリア相談を受けることで、自分の強みや弱み、価値観をより具体的に把握することができます。
日常の多忙さの中で、自分の核となる能力やキャリアの方向性を考える時間は限られていますし、”重要だけど緊急ではない”として後回しにしがちなもの。ですが、キャリア相談を通じて、専門家からの具体的なフィードバックを受け取ることで、自分の可能性や新しい視点を見つけることができます。
多くの人は、自分の特性や経験がどのように仕事に役立つのかを独力で判断するのは難しいものです。キャリア相談では、これまで気づかなかった自分の価値観や選択の背景を共に考察することができます。このような自己理解は、日常生活での意思決定や満足度を高める効果もあります。
多様な選択肢を得られる
キャリア相談では、あなたのキャリアの全体像を考慮して、多角的な視点からの選択肢を提供します。
もし最初は「転職」を検討して相談をしたとしても、現在の職場での成長方法、新しいスキル習得や資格取得に向けた目標設計、独立や起業に関する情報提供、そして副業やフリーランスとしての活動の方法など、あなたの可能性を最大限に引き出すための選択肢は数多くあるものです。
状況やリソースによっては、引っ越しや家族との話し合い、行政サービスの確認、家族との時間の過ごし方やコミュニケーションの取り方など、「仕事」の枠を超えたところに、解決の手立てが存在することもあります。これまで考えていなかった新しい視点や選択肢を得つつ、ご自身のキャリアを考えることができます。
具体的な目標設定と行動に移すサポートを得られる
「したいこと」が明確になっても、その実現のための具体的な経路や手段が分からないことは多いです。キャリア相談では、その「どうやって」を一緒に考え、明確な目標設定も支援します。
特に、遠い未来の大きな目標を持つ場合、その到達までの道のりを小さなステップに分けて考えることが重要です。しかし、1人での目標設定や行動計画は難しく、自信を持つことも難しいものです。
キャリア相談を受けることで、専門家と共に目標を明確にし、それを達成するための具体的な行動計画を立てることができます。そして、その行動計画を実行する過程での迷いや挫折を防ぐためのサポートも受けられます。
このようなサポートがあると、自分は目標に向かっての「行動」に集中できるようになります。挫折や途方に暮れることも少なくなります。さらに、心理学やコーチングの知見を活かしてサポートしてくれるキャリアコンサルタントもおり、長期の目標を掲げる場合には、そのような伴走型のサポートを得ることもおすすめです。
中立的で秘密を安心して相談できる相手の存在の獲得
大きな分岐点に立ち会う意思決定の際、他者の視点やアドバイスが欲しいと感じることは多いです。しかし、キャリアに関する相談先は意外と限定的です。社内での相談は情報漏洩のリスクがあり、身内には伝えにくい事柄も存在します。また、友人が専門的な知識を持っているとは限りません。このような状況で、キャリア相談が大きなサポートとなります。
専門家としての知識を持ちながら、あなたのことを第一に考える第三者の存在は心強いものです。実際、相談後に「普段、誰かに話を聴いてもらうことが少ない」と気づく人や、「まるで自分だけのセコンドがいるような気分」と感じる人もいます。そんな信頼できる相談相手がいることで、人生の道をより軽やかに進むことができます。
キャリア相談の具体的事例をご紹介
キャリア相談と一口に言っても、内容は様々です。
- どんな人から、どんな相談があるのか?
- その結果、どんな変化が訪れたのか?
初めて相談を考えている方のために、以下では代表的なキャリア相談の事例を4つ紹介します。
※実際のケースではなく、複数の一般的なトピックを組み合わせて再構築しています。
初めての転職を検討した際のご相談(25歳、女性、営業事務)
Aさんの相談の背景
Aさんは新卒から3年間、営業事務として勤務しており、いわゆる「第二新卒」。異業種や異業界への挑戦がしやすいこの時期に、転職を考え始めました。
転職エージェントとの面談後、あまりに多くの求人を紹介され、選択肢の多さが嬉しい反面、自分のキャリアの方向性について迷い始めました。「応募しながら向き不向きを考えればいい」とも言われましたが、それで本当に良いのか不安は増すばかり。
どの業界や職種が自分に適しているのか、転職軸を定めるためにキャリア相談を利用しました。
まず、Aさんは自身のキャリアについての棚卸しを行いました。業務面での得意・不得意、好き・嫌いの軸での整理をしていくことで、自身の強みや適性を再確認できました。さらに、市場の動向や業界・職種の一般的な情報提供を受ける中で、「就活では考えなかった業界」や「初めて知る職種」も選択肢に入るようになりました。
そもそも「第二新卒で転職したいのはなぜか?」を深掘りしていくと、今の会社での業務がルーティン化し、このままでは自分の将来の選択肢が狭まるかも…という不安が根底にあると自覚しました。
Aさんは相談を通して、①「転職軸の設定」と②「軸を叶えやすい業界職種の情報収集」を行いました。その内容をもとに、転職エージェントには紹介求人を絞ってもらうように依頼。自分が目指したい方向に合った求人を見つけることができました。
結果として納得のいく転職を実現することができ、今は新しい職場で活躍しています。
ライフイベントのタイミングでの相談(30歳、女性、契約社員)
Bさんの相談の背景
メーカーに総合職として勤務していたBさんは、激務で体調を崩し退職。その後は柔軟な勤務形態を求めて、派遣社員や契約社員としての就業を選択していました。
ただ昨年の結婚を機に、今後の人生の大きなイベント、特に子育てとの両立を考慮したキャリアの選択を模索していました。配偶者の転勤の可能性や、自身のスキルアップの方法、正社員に再挑戦するタイミング、福利厚生の違い、育休の取得条件など、多くの疑問と不安を抱えていたのです。配偶者に何かあったときのためにも、共働きは維持したい気持ちもあります。不安感も大きく、何から考え始めるべきか整理がつかない状況でした。
Bさんが不安に感じていることの中には、支援や制度の活用で解消できることも含まれていました。そのため、キャリアコンサルタントから関連する労働法や各種手当に関する情報提供を受け、正社員と契約・派遣社員の間での福利厚生や育休取得の条件の違いについては特に詳しく説明を聞きました。
体調面や環境の制約、現職での社員登用制度なども一緒に確認をしながら、「不安に思わなくても良いこと」「いざという時に参照すべき情報源・行政の窓口」「両立や安心を担保するために挑戦した方がいいこと」に分けながら、Bさんの不安を具体的な行動計画に変えるサポートを実行。
この相談を通じて、直近1年間で正社員登用試験を目指すことを決意しました。もし叶わなくても使える制度や支援があると分かったことで、過度な不安に陥らずに、前向きに挑戦できるようになったとのことです。
転職の「セカンドオピニオン」を期待したご相談(33歳、男性、エンジニア)
Cさんの相談の背景
エンジニアとして活躍中のCさんは、現職よりも待遇が良く、業務の幅が広がる企業を目指して転職活動を進めていました。複数の企業で最終面接の段階まで進んでいたものの、どの企業も魅力的で選ぶのが難しい状況。
転職エージェントを通じて各社のアドバイスも受けていますが、どうにもエージェント経由の企業を推される一方で、自分で直接応募した企業はあまり良く言われない状態。情報収集のために口コミサイトも参考にしていましたが、どこまで参考にしていいか疑問が拭えません。
Cさんは、特定の企業に偏見のない客観的な立場で情報提供が可能なキャリアコンサルタントに相談することを決意。選んだのは転職エージェントの仕組みや情報量を理解している経験者でした。
まずは選考が進んでいる企業の魅力と内定を受ける条件を、Cさんの転職目的を基に整理しました。この整理を通じて、以下の3つのカテゴリーに情報を分類しました。
- すでに手に入れている情報
- オファーを受けるまで確定できない情報(例:提示される年収や配属予定部署)
- 企業に直接確認できる情報(現社員との面談の機会や、働き方に関する内容)
この情報の整理により、Cさんはどの情報をいつ、誰に、どのように確認すべきかが明確になりました。また、まだ内定を得ていない段階でのこの整理は、より良いオファーを獲得するためのモチベーションとなりました。
準備を重ねた最終面接と、自身の価値を理解した上での給与交渉も行った結果、希望の部署で目標としていた年収のオファーを受けることができました。事前に自分の希望条件や意思決定の基準を明確にしていたため、口コミサイトやエージェントの情報に振り回されすぎることなく、自分の納得のいく転職を実現することができました。
>転職エージェントが信用できない場合の対処法や見極め方を解説
漠然とした不安を抱えたご相談(28歳、女性、営業職)
Dさんの相談の背景
Dさんは1社目の地方銀行でパワハラを経験し、半年で転職。現在は広告会社に転職し6年目となります。ただ、大きな不満はないものの、今の状態に満足しているかと問われると首を傾げてしまいます。例えば、友人がベンチャー企業で挑戦したり、家庭を築いて育児の話を聞いたり、マネジメントを目指す同期を見ると、自分が何もしていないように感じてしまうのです。
1社目は明確な不満があったため、転職の意思決定は簡単でした。しかし現在は待遇も良く、人間関係も問題ないはず。それでも引っかかりを覚えてしまうのは、自分がワガママだからなのか、本当に求めているものが何なのか、このままだと成長は望めないのでは、など漠然とした不安と悩みを抱えていました。
Dさんは対話を通して自身の過去の経験や、選択における価値観を振り返りました。言葉にしていく中で、1社目の退職以降から「頑張る」=「心身を限界まで追い込むこと」と考えるようになっていたと気づきます。その認知の歪みゆえに、心身が健康な状態で働けている現職では「頑張っている」充実感を得られなかったのだと、ご自身で発見するに至りました。そこでようやく、現職の5年間での頑張った行動や、良好な人間関係はDさんの「努力」の結果だと、自分で自分のことを認められるようになったのです。
漠然とした不安感の出所が分かったことで、本来のDさんが大切にしている価値観が自覚できました。現職には満足していること、少し挑戦したい業務があるので上司にかけあってみること、いつかやりたいと憧れていたアコーディオンを習い始めると申し込みを決めたこと。平日の夜に習い事を楽しむことができるのも、5年間でしっかりと業務の土台を築いてきたからだと思えるようになれました。
Dさんのように「贅沢な悩みかもしれませんが」と遠慮がちになったり、「ただのワガママかもしれない」と相談を躊躇する方は少なくありません。しかし、キャリア相談は”困っていること”だけでなく、「人生をより良くしたい」という動機にも十分に活用できます。
実際のご利用者の感想
ここでは実際に私のキャリア相談を受けた方の感想をご紹介いたします。
ブログでお人柄の良さを感じ、相談させて頂きたく思い申し込みました。相談のなかで聞きたいことを確認してくださり、それに対して明確に回答して下さいました。
私は就活もまともにしたことがなく、転職活動を始めるといっても「何をしていいか分からない」「ほとんど自信がない」という状態だったのですが、これからやるべきことが具体的に分かり前向きな気持ちになれました。
相談後、お話の内容を文章にまとめて送ってくださり、内容を忘れてしまうことがなくとても助かりました。丁寧かつ親身になってお話を聞いてくださり気持ちよく話せました。
利用者のみなさんが★5つつけている理由が分かりました。この度はお世話になり本当にありがとうございました。
引用:MOSH
昔よりは身近になった、とはいうものの、「転職活動」は大きな転機であり暗中模索になりがちですよね。そう何度も行わないけど人生の中で大きな岐路、というのが就活や転職だと思います。
私たちの目指すところは、まさに「具体的に何をすべきか」を明確にし、自信を持って次のステップに進むことができるようサポートすることです。発信を通して見つけてくださり、ありがとうございました!
このまま闇雲に就活を続けるなら早めにプロに助けを求めたい!との思いから今回ご相談させていただきました。
結論から言うと「良い時間だったなあ…」です。
放課後、保健室の先生にあれこれ話して濾過してもらっていたような優しい時間でした。
それくらい寄り添っていただきとっても嬉しかったです。
これまでの人生、仕事を一緒に振り返りながら「こういうところ(性格)ありません?」「こういったことも〇〇さんの強みですよ!」という風に自分が解かれていく感覚がありました。
おかげで実態の見えない悩みがクリアになっていき、そこを踏まえてどうしたいか考えさせられるきっかけになりました。
やっと就活のスタートラインが見えてきた気がします。
第二新卒、初めての転職で何もわからないからこそ相談するべきだと感じました。
また近いうちにお願いしたいです。
今回はありがとうございました。
引用:MOSH
「保健室の先生」のような優しい時間だったとのこと、『傾聴』や『寄り添い』を重要視しているなかでとても染み入る表現でした。
第二新卒や初めての転職は、「何がわからないかわからない」くらいに不安が多いですよね。勇気を持ってのご相談、ありがとうございました。
”困りきる前の少し早めのご相談”は、プロとしても「鬼に金棒」なサポートを提供していけますよ!
転職エージェントですと企業からお金をもらうということもあり自分のことをフラットに見てのお話ができない、かつ転職エージェントにも担当者によって職種等の認識にムラがある為相談させていただきました。
職種についていまいち決めきれてない部分がありました。
自分がこうあるべきとガチガチに考えていたのに対し、分かりやすくこの職種のこの部分の作業についてどう思うのかを聞いて下さり、自分が思ってるより苦手と得意とするものがあると認識できました。
またネットの情報のみだと見えてこなかった将来的にはこの職種の方が転職しやすいなどを教えていただきとても参考になりました。(転職エージェントでは答えてもらえませんでした)
必要であれば企業について調べていただけたり、こういったエージェントの方がいいかもと言ってくださったりとても手厚くサポートしていただけるなとも感じました。
企業の選定や自分がどうしていきたいのかは自分次第ではありますが、またフラットな意見が欲しい際は利用させていただきます。
引用:MOSH
様々な背景や利害関係が存在することを想像すると、完全に中立的な意見を求めるのは難しいこともありますよね。
相談者のみを第一に考えられるのが「有料のキャリア相談」の真価でもあるので、上手な使い方をしていただけたら嬉しいです!「フラットな立場」で相談を受けるからこそ、提供情報への責任感も増すお声でした!
このセクションでは、キャリア相談のさまざまなシーンやその重要性について詳しく解説しました。
次のセクションでは、キャリアコンサルタントの選び方や、キャリア相談を受ける際のポイントについて詳しく解説していきます。
キャリア相談を受けてみよう!選び方と注意点
ここでは、実際にキャリア相談を受ける際の注意点や、キャリアコンサルタントを選ぶ際のポイントについて解説していきます。
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キャリア相談を受ける時の注意点
キャリア相談を受ける際、最大限の効果を得るためのポイントをご紹介します。
正直な気持ちを話す
キャリア相談はあなたのための時間です。
面接や評価の場ではないので、無理に自分をよく見せる必要もありません。また、キャリアコンサルタントも、あなたの現状を正確に理解することで、より適切な問いかけや情報提供をできるようになります。
安心して、飾らず、正直に自分の気持ちや悩みを話してみましょう。
相性が合わない場合は変更する
資格や経験があったとしても、人対人のやり取りになるため、どうしても相性が合わないこともあります。
もし、「この人とは合わない」と感じた場合は、無理せず別のキャリアコンサルタントに相談することを推奨します。
相性の良いキャリアコンサルタントとの対話は、より深い洞察や解決策を見つける手助けとなります。
キャリアコンサルタントの選び方
キャリアコンサルタントを選ぶ際は、何を基準にすれば良いのでしょうか。
特に、初めての相談は慎重になりますよね。いくつか確認すべきポイントをご紹介します。
専門性
キャリアコンサルタントが持つ専門性は多岐にわたります。
転職や労働市場、特定の業界や職種に関する深い知識や経験を持つ人もいれば、家庭や育児との両立支援、副業や独立など多様な働き方への知見が深い人もいます。
自分の状況や悩みに合った専門性を持つキャリアコンサルタントを選ぶことで、より具体的な助言や情報を得やすくなります。
信頼性
口コミや評価、過去の実績などを確認して、信頼性の高いキャリアコンサルタントを選びましょう。
もし情報発信をしている人であれば、その人の発信内容に共感できるか、信頼できる情報が多いかなども一つの判断材料になります。
相性(初回相談の活用)
どうしても外部からの情報のみで判断しきれないこともあります。
初回は「お試し相談」として、割引価格や短時間でサービス提供している場合もありますので、これを利用して、自分との相性を確認することもおすすめします。
費用とサービス内容
キャリア相談の費用や提供されるサービス内容(対面orオンライン、推奨の回数、1回あたりの所要時間など)を事前に確認しておくことで、「期待していたものと違った」という結果を防ぐことができます。
継続的なサポートの有無
一度の相談だけでなく、継続的なサポートを受けることができるかどうかも、選び方のポイントとなります。
特に中長期の目標設定をしたい場合は、進捗共有や行動に移す支援も可能な継続型をおすすめします。
キャリア相談についてのまとめ
「キャリア」という言葉は、単に職業や仕事の経歴を指すものではありません。私たちの人生の中での選択、価値観、そして日々の経験や学びをも含んでいます。
そして「キャリア相談」も、転職や昇進だけの話題で終わるものではなく、日常の中での葛藤や、まだ言葉にしきれない感情や悩みを共有する場としても存在しています。
現代の社会は、さまざまなサービスや情報であふれています。その中で、「有料で専門家に相談する」という選択は、一見ハードルが高く感じるかもしれません。
しかし、その背後には、あなたの気持ちや悩みに寄り添い、複数の視点からサポートしてくれる専門家が待っています。
何かに迷ったとき、行き詰まったとき、一歩を踏み出す勇気が湧かないとき…。そんな瞬間に、「キャリアコンサルタント」という存在や「キャリア相談をする」という選択肢を思い出していただければ、これ以上のことはありません。
あなたの「キャリア」に、幸多からんことを!
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