転職活動をしている人の中には、「ハローワークにはブラック企業の求人が多い」という話を聞いて、不安に感じる人がいるかもしれません。
ハローワークはその性質上、俗に「ブラック」と言われる企業の求人が集まりやすい傾向にあります。そのため、転職活動において「ハローワークはやめとけ」と言われることも多いようです。
ただし、ハローワークは「公共職業安定所」として他にはない役割も持つため、転職活動の方針によって転職エージェント等のサービスと使い分けていくことが重要です。
本記事では、ハローワークにブラック企業求人が多いと言われる理由や、ホワイト求人の探し方、利用のメリット・デメリットを解説します。
実際にハローワーク経由でブラック企業へ就職してしまった人の体験談も紹介しているので、ぜひご確認ください。
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ハローワークにブラック企業求人が多いと言われる理由
ハローワークにブラック企業の求人が多いとされる理由はいくつかありますが、それらは主にハローワークの運営方針と構造に起因しています。
ハローワークにブラック企業求人が多いと言われる主な理由以下の通りです。
それぞれ詳しく解説していきます。
無料で求人を掲載可能
ハローワークにブラック企業の求人が集まりやすい理由の一つは、求人掲載が無料でできるという点にあります。
一般的に、企業が求人サイトや転職エージェント等を利用する際には、掲載料や紹介手数料が発生しますが、ハローワークでは国が運営しているため、企業はコストをかけずに求人を掲載できます。
また、ハローワークには中小企業の求人が多く集まる傾向があります。
そうした中小企業には資金力が乏しい企業も多く含まれ、人件費や採用コストを抑えたいという理由から、ハローワークを利用するケースが多いのが現状です。
求人掲載のハードルが低い
ハローワークは求人掲載のハードルが低いことも理由の一つです。
ハローワークでは、一定の基準を満たしていれば簡単な手続きをするだけで求人を掲載できるため、詳細なチェックが行われません。そのため、労働環境が整っていない企業や経営が不安定な企業でも容易に求人を出せる状況が生まれるのです。
一方、求人広告の企業や転職エージェントでは、担当者が求人を希望する企業を訪問したり、社員への聞き取りを行います。そのうえで企業の実態を把握して求人を掲載するため、ハローワークに比べてブラック企業の求人は多くありません。
ハローワークでは上記のように企業を訪問して情報収集等は行わないため、求職者が自ら情報を慎重に調べる必要があります。
こうした状況から、「ハローワークの求人にはブラック企業が多い」という印象が広がっているようです。
転職エージェントでもブラック企業の求人が掲載されることは有りますが、担当者が企業の詳細を把握しているケースが多々あります。
そのため、キャリアアドバイザーなどの担当者に相談することで、ブラック企業を避けて転職活動をしやすくなるといえるでしょう。
基本的に求人の掲載を断ることが出来ない
ハローワークでは、企業からの求人依頼を原則として拒否できない仕組みになっています。これは、公正な雇用機会を提供するために、どの企業からの求人でも受け付けるという方針があるからです。
たとえ過去に労働基準法に違反した企業であっても、労働基準監督署に改善が認められれば、所定の期間経過後に求人の掲載ができるようになります。
その結果、ブラック企業の求人が混ざってしまうことがあり、求職者にとってリスクが高まる一因となっています。
ブラック企業の求人はずっと掲載される
ホワイト企業の求人は応募者が多く、採用が早く決まるため、短期間で求人が取り下げられることが多いです。
一方、労働条件がきびしく人が集まりにくいブラック企業は、求人が長く残り続ける傾向があります。そのため、ハローワークで仕事を探している人が検索をした際に、ブラック企業の求人が目立ち、「ブラック企業ばかり」と感じることになるのでしょう。
常にそうした企業の求人が出続けているため、さらにブラック企業の求人が多いという印象を強めています。
常に求人が出ている場合であっても、「離職率が高い」という理由だけではなく、「事業拡大のため」等の前向きな理由も有ります。
働きたい業界に詳しい転職エージェントを活用することで、求人の背景も知ったうえで応募を検討することが可能になります。
ハローワークに求人を出さない優良企業が多い
大企業や優良企業の多くはハローワークではなく、有料の求人広告や民間の職業紹介機関を利用して採用活動を行うことが多いです。理由としては以下の点が挙げられます。
- 応募の殺到を避けるため
- 応募者の質を上げるため
- 離職率が低いため
有名企業や大手企業がハローワークに求人を出すと、応募が殺到し対応が非常に困難になることが理由のひとつです。
ハローワークに出した求人では、不採用者に必ず通知を出さなければなりません。そして希望者が出る度に紹介状を出してよいかハローワークから連絡が来ることから、多数の応募者が出る大企業では対応しきれないのです。
また、企業は、求める人材を初期段階で絞り込める民間の紹介機関を好む傾向があり、より適切な人材を見つけやすいと考えています。
このため、ハローワークには優良企業の求人が少なく、結果的にブラック企業の求人が目立つという現象が起こります。
ブラック企業を避けてホワイト企業求人を見つける方法
ハローワークの求人情報の中から、ブラック企業を避けてホワイト企業求人を見つけるには、下記の5つのポイントをチェックする必要があります。
それぞれ詳しく解説します。
常に掲載されている求人か確認する
ブラック企業を避けてホワイト企業を見つけるためには、まず企業の求人履歴をチェックすることが重要です。
頻繁に求人を出している企業は、離職率が高く慢性的な人手不足の問題を抱えている可能性が高いといえるでしょう。
ただし、頻繁に求人を出している企業がすべてブラック企業というわけではありません。事業拡大・成長に伴って人材確保をしているホワイト企業もあります。
その場合、業績が伸びているかどうかを確認することで、その企業が成長企業であるかを判断できます。売上高が増加している企業は、将来性があり、良好な労働環境を提供している可能性が高いため、安心して応募を検討できます。
応募する前に、慎重に情報を収集し、総合的に判断することが大切といえます。
給与を確認する
ハローワークの求人票で給料の幅が異常に大きい場合は注意が必要です。
例えば、20万円~60万円と給料の幅を広く設定して募集している場合、高い金額を期待させておいて、実際に入社してみると給与が低いことがあります。そのため、給料の下限の金額をよく見ておくようにしましょう。
給料のことは面接の席で質問しにくいかもしれません。その場合は、応募前にハローワークで相談するようにしましょう。
さらに、給与以外にも通勤手当や各種手当、賞与の有無をチェックします。賞与は月給の2か月分程度が一般的で、4か月分以上ある場合は業績が安定した企業の可能性があります。
年間休日を確認する
年間休日数は、ホワイト企業とブラック企業を見極める大切な要素です。
一般的に、年間休日が120日以上ある企業は、従業員に十分な休息を提供し、労働条件が良好な場合が多いです。
もちろん、年間休日数が少ないからといって必ずしもブラック企業とは限りませんが、休日の多さはプライベートの充実や将来のための資格取得などのスキルアップ機会にもつながる重要な要素です。
また、1日の拘束時間や残業時間も重要です。特に月45時間以上の残業が発生する企業は、きびしい労働環境が常態化している恐れがあるため注意が必要です。
就職活動の際には、求人票に記載されている年間休日数だけでなく、実際の勤務時間や残業の実態も注意深く確認し、安心して働ける職場を選ぶことが重要です。
気になる点をハローワークの職業相談員に確認する
ハローワークでブラック企業を避けるためには、職員に相談するのも有効な方法です。
ハローワークの職員は、企業との特別な関係がなく、採用された場合のインセンティブもないため、求職者にとって不利な情報も正直に教えてくれる可能性が高いといえるでしょう。
また、企業について詳しく聞こうとすると熱心に就職活動をしていると思われ、親身になって企業の評判や働きやすさについて率直なアドバイスをもらえることもあります。応募前に気になる点があれば、職員に相談してみるとよいでしょう。
外部の口コミサイトを確認する
求人を検討する際には、掲載されている情報だけでなく、転職サイトや口コミサイトで企業の評判を確認することが重要です。
ハローワークにある求人情報は、基本的に求人企業が自ら作成したものであり、応募者を集めるために好印象を与えるように書かれています。
しかし、実際の労働環境や社風を知るためには、他の人の口コミや評判を参考にすることが欠かせません。
口コミサイトに加え、企業の公式ウェブサイトでの社員インタビューや企業理念の確認も、企業の実際の雰囲気を把握するのに役立ちます。
複数の情報源から情報を集め、総合的に判断することが、理想的な職場選びにつなげましょう。
ブラック企業求人が多いハローワークを利用するメリット
ブラック企業の求人も多く含まれているハローワークですが、デメリットばかりではあります。
ハローワークw利用するメリットとしては、下記点が挙げられます。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
地元企業の求人が豊富
ハローワークの利用には、地元企業の求人情報が充実しているという大きなメリットがあります。
通常の求人サイトを利用した場合、特に地方では希望条件に合う求人を探すのが難しいことが多いですが、ハローワークは地域ごとに運営されており、地元に密着した求人が豊富に揃っています。
また、ハローワークの職員には地域の労働市場に精通している担当者もいるため、求職者のニーズに応じたアドバイスも期待できます。
雇用保険の手続きがスムーズ
ハローワークで仕事を探すことで雇用保険の手続きがスムーズに進むというのもメリットの一つです。
失業保険を受給するためには、定期的に求職活動実績を報告する必要があり、ハローワークでの仕事探しが求職活動実績として認められます。
また、ハローワークが職員が手続きをサポートしてくれるため、初めて利用する人でも安心して手続きを進められる点も取り組みやすいポイントです。
無料のキャリア相談を利用可能
ハローワークでは無料でキャリア相談を受けられる点もメリットのひとつです。
あまり知られていませんが、ハローワークでは求職者のキャリアに関するアドバイスや、求人情報の提供、さらには履歴書や職務経歴書の作成指導など、具体的なサポートを受けられます。
ハローワークの職員は、地元の求人状況や業界動向に詳しい人も多く、求職者が自身のスキルや経験に合った仕事を見つけられるよう親身になってアドバイスをしてくれます。
また、仕事探しに不安を感じている人にとっては、キャリア相談が精神的な支えにもなり、自信を持って就職活動を進められるようになることもあるでしょう。
ハローワークでは、このようなサポートを無料で提供しているため、初めての転職や再就職活動に不安がある人にとって非常に心強い存在です。
また、無料のキャリア相談は失業保険の受給に必要な求職活動実績として認められるため、仕事探しと受給手続きが同時に進められるのもメリットといえます。
一定基準を満たす法令違反求人は掲載されない
ハローワークは、原則として全ての求人の申し込みを受理しなければならないとされています。
しかし、改正職業安定法が施行され、2020年3月30日からは一定の労働関係法令違反のある企業からの求人の申し込みなどを受理しないことが可能になりました。
具体的には、下記のようなケースの求人はハローワークでも受理されません。
- 求人の内容が法令に違反する場合
- 労働条件が通常の労働条件と比べて著しく不適当な求人
- 求人者が「一定の労働関係法令違反」がある場合
- 労働条件が明示されていない求人
- 暴力団員による求人
- 求人者が、正当な理由なくハローワークからの報告の求めに応じなかった場合
また、法規定に違反し是正指導を受けた場合なども、是正期間が経過するまで求人の申込みが受理されません。
こうした規定により、求職者は法令に基づいた安全な求人を中心に仕事探しをすることが出来ます。
利用はやめとけと言われるハローワークのデメリット
ハローワークで求人を探す場合のデメリットには、下記の3つがあります。
それぞれ詳しく解説します。
ブラック企業の求人に遭遇しやすい
ハローワークを利用して仕事探しをするデメリットのひとつは、ブラック企業の求人に遭遇しやすいことです。
ハローワークは公的機関であるため、原則として求人の掲載を断ることができません。そのため経営が不安定な企業や労働環境が整っていない企業でも求人を出しやすい仕組みになっています。
ハローワークの相談員の質にバラつきがある
ハローワークの相談員の質にばらつきがあることもデメリットとしてあげられます。
相談員には、国家資格である「キャリアコンサルタント」を保有している経験豊富な職員もいれば、経験の浅い非正規職員も多くいます。そのため、提供されるアドバイスの内容や質に差が生じることがあります。
場合によっては、求職者の希望や状況に十分に応じたサポートが受けられないこともあるでしょう。
もし担当者の対応に不安を感じた場合、担当を変更したもらうことも可能です。
相談員が合わないと感じた場合は、窓口や電話で相談してより適切なサポートを受けられるようにしましょう。
求人情報の詳細が分かりづらい
ハローワークの求人情報は詳細が分かりづらいということもデメリットの一つです。ハローワークの求人票は文字情報がほとんどで、写真などのわかりやすいビジュアルがありません。
疑問点がある場合は、ハローワークの相談窓口で職員に問い合わせをすると良いでしょう。場合によっては職員が企業に電話をして確認してくれることもあります。
実際にハローワークでブラック企業に就職した人の体験談
ここでは、実際にハローワーク経由でブラック企業に就職して辛い経験をされた人の体験談をご紹介していきます。
早く転職したいという焦りからブラック企業へ入社
私は新卒で入社した商社で、営業として約2年間働きました。しかし、仕事に追いつけず、なかなか成果を出せない日々が続き、転職を考えるようになりました。
そんな時、ネットで転職先を探していると、ハローワークで製造現場の求人を見つけました。面接はすぐに通りましたが、どこか圧迫感を感じる場面もありました。
面接官の一人は「本当にできるの?」と疑問を投げかけ、さらにはガムを噛んでいる人までいたことに驚きました。
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正直、少し不安を感じましたが、早く仕事を決めたかったこともあり、ブラック企業かもしれないという予感を抱きつつも入社を決意。
そこでは約10年間働きましたが、社員の大半が「この会社が嫌いだ」と感じている環境でした。
たとえば、上司の厳しい言葉やパワハラまがいの言動、部下に残業をさせながら自分は早く帰るといった不満が積もっていました。その中でも最も印象に残っているのは、同僚が倒れたときの出来事です。
ある同僚が体調不良を訴えましたが、休みを与えられず出勤させられました。そして勤務中に倒れたのですが、上司は無理に出勤させた責任を恐れ、救急車を呼ばず、車で病院に連れて行きました。
これにより労災が隠される結果となりました。
このような問題が頻発し、社員の満足度は低く、入れ替わりも激しい職場でした。
体験談寄稿者プロフィール
- 年齢:34歳
- 性別:男性
- 当時の職業:製造業(現在はフリーランス)
ハローワーク求人票とは異なる労働時間と未払いの残業代
私がブラック企業に当たったのは、地元のハローワークで仕事を探していた時のことです。
不動産賃貸の営業職で、厳しい環境だろうとは覚悟していましたが、面接で社長がとても朗らかな方だったので「ちょっと頑張ってみようかな」と思い、入社を決めました。
しかし、実際に働いてみると、まさにブラック企業であることを痛感し、後悔することになりました。
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ブラック企業だと思った点は、主に2つです。
1つめは、勤務時間がハローワークでの提示条件と違う事です。
求職票では9時~18時と記載がありましたが、毎日19時までは必ず勤務させられました。
最終的に3か月の試用期間を経て自己都合退職をしたのですが、その間の毎日1時間以上の残業代は一切支払われることはありませんでした。
2つめは、物品破損時の給与天引きを当たり前のように行われたことです。
辞職する直前に、私の不注意で営業車に傷をつけてしまうことがありました。
私に過失があるため修理代の負担をする覚悟はありましたが、社長からの叱責があるだけで特に何もないのかなと思っていました。
勤務最終月の給料振込日に給料が振り込まれていなかったため問い合わせてみると、直接取りに来てほしいと言われ受け取りに行きました。
事務員の方と一緒に給料を確認することになったのですが、明らかに金額が少ない。なぜかと聞いてみると、私が営業車を傷つけたことによる天引きとして、5万円天引きされていました。
当時の私はまだ第二新卒だったこともあり、特に何も疑問に思わず残業代の請求も修理費用の明細も要求せず退職しましたが、今考えてもいわゆる典型的なブラック企業だったなと思います。
体験談寄稿者プロフィール
- 年齢:36歳
- 性別:男性
- 当時の職業:不動産賃貸営業(現在はコールセンター勤務)
毎日4~5時間の残業と土日も出勤の環境に2週間で退職
「若いうちに手に職をつけたい」と思い、金属加工の仕事(溶接やCAD)を探すことにしました。
ハローワークの職員にその旨を伝えると、いくつかの求人票を出してもらい、その中に条件の良い会社があったので応募しました。
面接は次の週に行われ、社長と2〜3分ほど話した後、「まあ、やってみたらいい」と言われ、翌日から働くことになりました。
続きを読む
初日は朝のミーティングから始まりましたが、内容はよく分からないまま、社員が社長に怒鳴られている場面に遭遇しました。
多少戸惑いはあったものの、従業員が10人ほどの小さな会社だったので、当時は「こういうこともあるか」と深く気にしませんでした。
しかし、仕事を続けていくうちに問題が次々と明らかになりました。
毎日のように4〜5時間の残業があり、土曜日はほぼ仕事、時には日曜日も出勤、大型連休ですら仕事が入ることが普通でした。
また、社長や工場長は気性が荒く、胸ぐらをつかんだり突き飛ばしたりする場面も目撃しました。
給料は確かに高かったものの、迷いながらも結局2週間で退職しました。
それから7年が経ち、今は30歳手前ですが、あのような環境で再び働くことは到底考えられません。
体験談寄稿者プロフィール
- 年齢:29歳
- 性別:男性
- 当時の職業:金属加工(現在は会社員)
パワハラの横行や、残業代の未払い等の違法行為を行うブラック企業は現実に存在します。
ハローワーク経由の転職活動に限らず、転職活動の際には就職先の条件を明確にしたうえで、企業に関する情報を集めて就職する必要があります。
職場選びに失敗したくないと考えている人は、転職エージェントに登録して担当キャリアアドバイザーから詳しい職場の情報を収集し、転職活動に役立てるといいでしょう。
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ハローワークの転職活動が向いている人
ここまで解説してきた利用のメリット・デメリットをふまえると、ハローワークの転職活動が向いているのは下記のような人です。
それぞれについて詳しく解説していきます。
地元で働きたい人
ハローワークでは地域ごとの求人情報を豊富に取り扱っているため、地方や地元企業に特化した求人を効率よく探せます。
また、ハローワークの職員は地域の企業事情や労働市場に詳しいため、地元での就職活動に関して的確なアドバイスを得られます。
地元の企業の評判や、過去の採用実績など、求人票だけではわからない情報に詳しい職員がいる場合もあり、安心して転職活動を進められるでしょう。
中小企業に就職したい人
中小企業への就職を希望する人の場合は、ハローワークの求人を探すことがオススメといえます。
ハローワークでは地元中小企業の求人が多く、大手以外の就職を希望している人にとっては最適な仕事探しの方法のひとつといえます。
また、ハローワークの職員は地元の中小企業に詳しい場合も多く、求人票に書かれていない情報を教えてくれることもあります。
企業の社風や実際の労働環境についてのアドバイスを受けられるケースもあるので、求人票だけでは見えてこない面がわかるため、求職活動の大きな助けになるでしょう。
職業訓練を利用する予定の人
職業訓練は雇用保険を利用して資格取得や技術を身に着けられる仕組みのため、スキルアップして再就職を目指す人にとって非常に役に立つ仕組みです。
ハローワークの職員は職業訓練で開催しているコースの内容や業界のニーズを理解しており、個々のキャリアプランに合わせたアドバイスを受けることが出来ます。
ハローワークの転職活動が向いていない人
ハローワークの転職活動が向いている人がいる一方、下記のような人は向いていないといえるでしょう。
それぞれ詳しく見ていきます。
ホワイト企業へ就職を目指す人
ホワイト企業への就職を目指す人にとって、ハローワークは必ずしも最適な職探しの選択肢ではありません。
労働環境が整っていて俗に「ホワイト企業」と呼ばれる会社は離職率が低く、求人を出す頻度はそれほど多くありません。
ハローワークの求人にホワイト企業が全くないというわけではありませんが、多数の求人情報が集まる中から探すのは骨が折れる作業です。
ハローワーク以外(転職エージェントやスカウトサービス等)を利用したからといって、必ずホワイト企業に就職できるわけではありません。
転職活動を成功させるためには、複数の求人媒体を併用し、しっかりと企業の情報収集を行い、自分の条件に合った職場を見極めることが大切です。
大手企業へ就職したい人
ハローワークでの転職活動は、大手企業への就職を目指す人にはあまり向いていません。
また、一部の専門職や管理職の求人では、非公開で転職エージェントや専門サイトを通じて提供されるケースも有ります。
大手企業に就職したい場合は、希望する業界や職種に強い転職エージェントやスカウトサービス等に登録し、幅広く情報を集めることが必要になります。
特定の専門領域で就職をしたい人
ハローワークでの転職活動は、特定の専門領域で就職を希望する人には必ずしも最適ではありません。
例えば、介護や看護、エンジニア、管理部門といった専門職は、高度な知識やスキルを必要とするため、職種や業界に特化した転職エージェントを利用するほうが質の高いサポートを受けられる可能性が高いといえます。
職種や業界に特化した転職エージェントでは、当該分野の求人情報が集まっているので、自分が求める転職先に出会える確率も高いでしょう。
きめ細かいサポートを受けたい人
ハローワークの転職活動は、きめ細かいサポートを求める人には向いていません。
ハローワークは無料の公共サービスであるため、できるサービスや指導には限度があります。転職エージェントのような綿密な履歴書・職務経歴書の添削や面接対策などを希望する人には物足りないかもしれません。
ハローワークと転職エージェントの違い
新たな仕事を探す際には、ハローワーク以外にも転職エージェントの利用を考えている方も多いでしょう。どちらも仕事探しに活用できますが、サポート内容やサービスには大きな違いがあります。
ここでは、ハローワークと転職エージェントの違いについて解説します。
ハローワークと転職エージェントのサポート内容の違い
ハローワークと転職エージェントのサポート内容には、利用者にとって大きな違いがあります。
ハローワークは公的なサービスであり、相談など基本的なサポートを無料で行い、幅広い求人情報を提供しています。
そのため、個別のフォローは少なく、企業との交渉や詳細な情報提供も限られます。
一方、転職エージェントは、個別に担当者がついて転職活動をサポートします。
また、転職絵ジェントでは履歴書や職務経歴書の書き方、面接対策、さらには条件交渉や入社後のフォローまで、求職者一人ひとりに合わせたきめ細かな支援を行っています。
ハローワークと転職エージェントの求人数を比較
求人紹介機関 | 求人数(令和4年度分) |
---|---|
ハローワーク(公共職業安定所) | 10,528,200 |
転職エージェント(有料職業紹介事業所) | 10,688,440 |
ハローワークと転職エージェントが扱った求人数を見ると、令和4年度の求人数はハローワークが10,528,200件に対して転職エージェントが10,688,440件とほぼ変わらない件数でした。
ハローワークは全国に500箇所以上の窓口を持ち、地域密着型の求人を多く扱っています。特に地方や中小企業の求人が豊富です。
一方、転職エージェントは転職者の増加とともに年々数を増やし、令和5年では全国で3万社を超えています。その分、企業間の競争もきびしくなっており、サービス内容や求人情報件件数を充実させています。
転職エージェントでは非公開求人の紹介も受けられる
転職エージェントの大きな特徴の一つは、非公開求人の紹介を受けられることです。
非公開求人とは、企業が一般的な求人サイトやハローワークで公開せず、特定の転職エージェントを通じてのみ紹介する求人です。
これには企業が採用活動を効率化したい場合や、重要なポジションの募集を慎重に行いたい場合などが含まれます。
非公開の求人は競争が少なく、優良企業や専門的なポジションに出会えるチャンスがあります。
また、適任と思われる求職者には、転職エージェントから企業に対して強くプッシュすることもあるため、非公開求人を含めた転職活動をしたい人はまずは転職エージェントへ登録するといいでしょう。
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ハローワークはブラック企業求人が多いと言われる理由まとめ
本記事では、ハローワークの求人がブラック企業ばかりといわれる理由や、ハローワークを利用するメリット・デメリットなどについて解説しました。
実際のところ、ハローワークの求人にはブラック企業が含まれてはいますが、ホワイト企業の求人が全くないわけではありません。ハローワークの求人に対するネットの評判だけで利用を避けるのではなく、実際に登録し、自分に合った求人を見極めることが大切です。
本記事で紹介したブラック企業とホワイト企業の見分け方を参考にし、情報を慎重に確認しましょう。また、ハローワークが合わないと感じた場合は、民間の転職エージェントを利用するなど、状況に応じて柔軟に求職活動をしてください。