「精神的に限界で退職したいけれど、上司にどう伝えればよいのかわからない」
「面接で退職理由を聞かれたときの答え方が不安」
ストレスの大きさから今の仕事を辞める決断をしている人の中には、こういった悩みを抱えている方もいるようです。
本記事では、「精神的に限界」を感じたときの退職理由の伝え方から、転職活動での前向きな伝え方までを、具体的にわかりやすく解説していきます。
限界を感じたままに働き続けるリスクや、退職が認められない場合の対策についても解説しているので、ぜひご確認ください。
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退職理由で「精神的に限界」と伝えるのはあり？
結論からお伝えすると、「精神的に限界」という退職理由を直接伝えることは、できれば避けたほうがよいでしょう。
なぜなら、伝え方によっては、感情的で主観的な印象を与えてしまい、円満な退職に支障をきたす可能性があるためです。
それでは、精神的な限界から退職を考えている方が、その意思を会社にどのように伝えればいいのでしょうか？事前におさえておきたいポイントは以下の通りです。
それぞれ詳しく解説していきます。
「精神的に限界」という伝え方は避けるべし
円満な退職を望むのであれば、「精神的に限界です」といったネガティブな感情をそのまま伝えるのは、避けたほうが無難です。
さらに、退職理由としてネガティブな要素を伝えると、会社側が「その原因を取り除けば、退職を思いとどまってくれるのでは？」という期待を抱かせやすくなります。
その結果、強い引き止めにあったり、退職交渉が長引いたりするおそれもあります。
こうした事態を防ぐためにも、会社を辞めることを決意している場合は、基本的にはポジティブな理由に変換して退職の意思を伝えましょう。
パワハラや社内いじめが原因の場合は事実を伝える
退職の理由がパワーハラスメントや社内いじめにある場合は、その事実を黙って自己都合で退職するのではなく、然るべき相手に冷静に伝えることが大切です。
会社都合退職になると、以下のようなメリットがあります。
- 失業保険の給付制限が免除される
- 基本手当の給付期間が自己都合よりも長くなる場合がある
ただし、ハラスメントの事実を社内で伝えにくい場合もあるでしょう。そのような場合には、退職後にハローワークで会社都合退職への申し立てを行うことで、退職理由を「会社都合退職」へ変更することが可能です。
また、直属の上司がハラスメントや社内いじめの加害者である場合、人事部や社内のコンプライアンス窓口、労働組合へ相談することが望ましいでしょう。
さらに、外部の相談窓口として、労働基準監督署や法テラスなどの公的機関を活用することも可能です。
精神的負担が体調不良につながっている場合は素直に伝える
精神的なストレスが原因で、体調不良につながっている場合は隠さず素直に伝えましょう。
すでに病院を受診している場合は、医師による診断書を提出することで、会社からの無理な引き止めを避けやすくなります。
また、専門機関に相談することで、自身の状態を正確に把握し、今後の選択肢を整理できるようになるでしょう。
精神的に限界のまま働き続けるリスク
精神的に限界を感じながらも退職の決断ができず、働き続けてしまうと、以下のリスクが生じやすくなるため注意が必要です。
そのため、無理を重ねる前に自分の体調に目を向け、必要な選択をすることが大切です。
それぞれ詳しく解説していきます。
健康状態に深刻な影響を及ぼす可能性がある
長時間労働やパワハラなど、強いストレス環境にさらされ続けると、心身に深刻な影響を及ぼす可能性があります。
精神的に限界に近い、あるいはすでに限界を超えて働き続ける状態では、精神疾患を発症するリスクが高まり、最悪の場合はその後のキャリアや日常生活に支障をきたす事態にもなりかねません。
そのため、「もう無理かもしれない」と感じた時点で、できるだけ早く上司や外部の専門機関に相談することが重要といえるでしょう。
キャリアバディマガジン編集部担当している仕事に対して、適度な負担やストレスを感じることは会社員として成長するために欠かせません。
ですが、度を超えた負担は心身不調の原因となり、その後のキャリアに悪影響を及ぼす可能性があります。
特に、我慢強い人ほど、限界を超えても「まだ頑張れる」と自分を追い込み、気づかないうちに心身をすり減らしてしまうことも少なくありません。
もし「これは限界かもしれない」と感じたときは、ひとりで抱え込まず、キャリアバディのキャリアコンサルタントに相談してみましょう。
今の働き方や将来への不安について話すことで、自分らしい働き方のヒントが見つかるキッカケになるでしょう。
仕事のパフォーマンスや評価に悪影響が出る
精神的に限界の状態で働き続けると、集中力や判断力が低下し、仕事のパフォーマンスに悪影響が出てしまいます。
たとえば、次のような影響がみられることがあります。
- 簡単な計算ミスが増える
- 仕事が思うように進まず締切に間に合わなくなる
- 同僚とのコミュニケーションがうまく取れなくなる
こうした状態が続くと、会社や上司からの評価が下がり、昇進・昇格のチャンスを逃したり、人事評価全体に悪影響が及んだりするおそれがあります。
そのため、精神的に限界を感じている際には、早い段階で上司や人事部門へ相談をするようにしましょう。
プライベートにも支障が出るおそれがある
精神的に限界の状態は、職場だけでなく家庭生活や人間関係にも深刻な影響を及ぼします。
具体的には、以下のような支障が発生することがあります。
- 家族との会話が減る
- 子どもの行事に参加できない
- 配偶者に対して感情的になってしまう
- 友人からの誘いを繰り返し断るようになる
このような状態が続くと、家族や友人など、周囲の人との関係にも影響を及ぼすおそれがあります。
そして、「理解されない」「誰にも頼れない」と感じ、ますます精神的に追い込まれてしまう悪循環に陥ることも考えられます。
もしこうした兆候に心当たりがある場合は、無理をせず、信頼できる相手に相談することが大切です。職場の上司だけではなく、必要に応じてカウンセラーやキャリアコンサルタントといった専門家に相談するようにしましょう。
精神的に限界な時に退職を伝える準備とコツ
精神的に限界を感じたときに退職を伝える際に必要な準備と、押さえておきたいコツは主に以下の通りです。
それぞれ詳しく解説していきます。
まずは退職日を自分で決める
精神的に限界を感じて辞める際は、まず自分の中で明確な退職日を決めておくことが重要です。
退職日をあらかじめ設定しておくことで、引き継ぎのスケジュールを逆算しやすくなり、上司との話し合いでも曖昧な返答を避けられます。
なお、正社員(無期雇用契約)の場合、退職を申し出てから最短2週間で退職が可能と民法で定められているものの、就業規則に従って1〜2ヶ月前に申し出るのが円満退職のためには望ましいでしょう。
キャリアバディマガジン編集部企業によっては、就業規則で「退職の申し出は6カ月前に必要」など、法律で定められた期間を大きく超えるルールが設けられていることがあります。
しかし、そうした規則に従って無理に働き続けることで、精神的に限界を超え、取り返しのつかないことになる恐れがあるため要注意です。
原則として、就業規則よりも民法などの法律の規定が優先されるため、引き継ぎに必要な期間を考慮したうえで、1〜2カ月後といった常識的な範囲で退職日を設定するのが現実的といえるでしょう。
退職後のキャリア設計を考える
精神的に限界を感じている状態でも、退職後のキャリア設計を考えておくことが大切です。
現状の働き方に対する不満や課題を整理し、それらを踏まえて今後の働き方に活かすことで、自分が目指すべきキャリアの方向性がより明確になるはずです。
また、退職後のキャリア設計を事前に想定できていると、退職の意思を上司に伝える際に、具体的な返答ができます。そのため、引き止めにあったとしても、具体的なビジョンやアクションを伝えることで、納得してもらいやすくなるでしょう。
退職届を用意する
退職を伝える前に、退職届をあらかじめ準備しておくようにしましょう。
また、退職届は正式な意思表示としての法的な証拠にもなり、万が一のトラブル防止にも役立ちます。
退職理由は「一身上の都合」として伝える
基本的に退職理由は、「一身上の都合」と伝えることで、詳細な説明を避けつつ円満な退職を実現しやすくなります。
一身上の都合という表現は、日本のビジネス文化において、個人的な事情をあえて深掘りせずに処理するための言い回しです。
「一身上の都合により退職」と伝えることで、対立や不要な詮索を避けながら、退職の意思を丁寧に伝えられるため、おすすめの退職理由といえるでしょう。
ただし、パワハラや社内いじめが退職理由の場合は、事実を伝えることで「会社都合退職」で辞めることができます。会社都合退職の方が自己都合退職に比べ、失業手当を有利な条件で受給できるため、注意しておきましょう。
キャリアバディマガジン編集部上司との信頼関係次第では、より踏み込んだ退職理由を伝えても問題ありません。
ですが、精神的な負担から感情的になってしまいそうな場合は「一身上の都合により退職」とだけ伝えるようにしましょう。
体調不良がある場合は診断書をもらう
精神的な負担が原因で体調不良がある場合は、心療内科や精神科を受診して診断書を取得しましょう。
診断書は、あなたの不調が治療を要する状態であることを客観的に証明する証拠になるため、特に以下のような手続きの際に必要になるため、準備をしておきましょう。
- 傷病手当金の申請
- 雇用保険上の特定理由離職者や正当な理由のある自己都合退職への認定
- 退職時の交渉材料
受診の際は、職場での具体的なストレス要因や心身の症状、業務に支障をきたしていることなどを、正直に医師に伝えることが大切です。
待遇や環境改善の提案には冷静に対応する
退職の意思を伝えた際、上司から待遇の見直しや部署異動など、引き止めの提案(カウンターオファー)を受けることがあります。
しかし、精神的に限界を感じている状態であれば、一時的な改善では根本的な解決にはならない可能性が高いことを理解しておきましょう。
環境が変わっても、精神的な負担を生んでいる本質的な問題が解決しなければ、また同じような状況に逆戻りしてしまうリスクがあります。
また、一度退職の意思を示しておきながら撤回して残留すると、職場での立場が悪くなったり、周囲との関係がぎくしゃくしたりする可能性もあります。
こうした事態を防ぐためにも、引き止められた時の対応をあらかじめ想定しておくようにしましょう。
精神的に限界でも円満退職するためのポイント
精神的に限界を感じている状況でも、可能な限り円満退職を実現するために、意識したいポイントは以下のとおりです。
これらを心がけることで、精神的な負担を抱えたままでも、できる限りスムーズに退職手続きを進められます。
それぞれ詳しく解説していきます。
退職理由はポジティブな理由にする
前述の通り、退職理由は「一身上の都合」と伝えつつ、詳細を尋ねられた際には前向きな表現で伝えましょう。
もちろん、「精神的に限界だから辞めたい」という状況である以上、退職理由はネガティブになりがちですが、前向きな表現に言い換えることで、スムーズで円満な退職につなげることが可能です。
具体的には、以下のように言い換えることで、前向きな印象を与えられます。
- 人間関係が悪い →チームで協力しながら成果を出せる環境で成長したい
- 仕事がつまらない→新しい分野に挑戦し、スキルの幅を広げたい
- 給料が低い→専門性を高め、より高い目標に挑戦できる環境で力を発揮したい
このように、退職理由は単なる不満ではなく、次のキャリアへの意欲や成長意識として伝えることで、上司や会社側の納得感も得やすくなるでしょう。
会社の就業規則に沿って退職を進める
法律上、正社員(無期雇用契約)の場合は、退職の2週間前までに申し出れば会社を辞めることが可能です。
ただし、就業規則に法外ともいえる退職予告期間（たとえば3カ月〜6カ月など）が定められている場合、無理にそのルールに従って働き続けることで、体調を崩すだけでなく、転職活動のタイミングを逃すといった悪影響が出る可能性もあります。
そのため、自分の健康や今後のキャリアを守るためにも、就業規則だけにとらわれず、自身の体調や転職活動の状況を優先し、退職日を決めることが重要になります。
可能なら繁忙期の退職は避ける
可能であれば繁忙期や重要なプロジェクトの佳境を避けて、退職時期を調整することがおすすめです。
繁忙期の退職は、会社への負担が大きくなるだけでなく、上司や同僚からの理解を得にくくなる可能性があります。また、引き継ぎが不十分になりやすく、後任者や取引先に迷惑をかけるリスクも高まります。
たとえば、以下のような時期に退職することは避けた方が無難といえるでしょう。
- 年度末や決算期
- 新商品の発売時期
- 大型プロジェクトの納期直前など
一方、新年度のスタート直後やプロジェクトが一段落した時期、夏季休暇明けなどは、比較的スムーズに退職しやすいとされています。
特に医師から休養の必要性を指摘されている場合などは、健康を最優先に考えて退職時期を早めるようにしましょう。
上司へ退職の意思を伝える
退職の意思は、必ず直属の上司に最初に伝えるようにしましょう。
その際、相談という形ではなく、決定事項として明確に伝えることが、円満な退職につながる重要なポイントです。
退職の意思を伝える前には、「今後のことでご相談したいことがございます」などと切り出し、1対1で話ができる個室や落ち着いた場所で話すようにしましょう。
この際、引き止めを受ける可能性が非常に高いですが、感情的にならないように冷静に対応するようにしましょう。
精神的に限界な時の退職理由に使える書き方・伝え方の例文
ここからは、精神的に限界を感じたときに使える退職理由の書き方や伝え方について、以下のケースの例文を解説sて行きます。
書き方・伝え方の例文
それぞれのケースに応じて、相手に伝わりやすく、かつトラブルのリスクを避けられる退職理由の表現を選ぶことが大切です。
それぞれ詳しく解説していきます。
精神的に辛いことをぼかして伝えたいときの例文
精神的な辛さを直接言葉にするのが難しい場合には、「一身上の都合」という表現を使って退職の意思を伝える方法がおすすめです。
【口頭での伝え方の例】
突然で大変申し訳ありませんが、この度、一身上の都合により、〇月〇日をもちまして退職させていただきたく存じます。
また、詳細を尋ねられた場合の返答例としては、次のように伝えるのといいでしょう。
個人的な事情による退職のため、詳しくは申し上げられませんが、現在の職務を続けることが難しい状況となっております。
精神的に辛いことをぼかして退職理由を伝えたい場合は、感情的にならず、あくまでも冷静に、一貫した態度で伝えることが大切です。
その際、退職届には、以下のように記載します。
【退職届の書き方の例】
私儀、一身上の都合により、令和〇年〇月〇日をもって退職いたします。
このように、書面でも一身上の都合という表現を用いることで、過度な説明を求められることなく、形式的にも正しい手続きを取れます。
キャリアバディマガジン編集部ただし、「一身上の都合」で法律上問題なく退職できるのは無期雇用の正社員の場合に限ります。
契約社員やパート職員など、有期契約で働いている場合は、契約期間中に自己都合で辞めたいと思っても、「やむを得ない理由」がなければ、会社側が退職を認めない可能性があります。
このため、有期契約で働いている方は、退職のタイミングや理由について慎重に確認し、必要に応じて専門家に相談するなどの対策が必要となります。
家庭の事情を理由に退職したいときの例文
家庭の事情を退職理由とする場合は、伝えるべき事情や範囲に配慮しながらも、会社側が納得しやすい説明を心がけることが大切です。
退職理由を伝える際は、必要以上に詳細を明かすことなく、家庭の事情や家族のサポートといった表現を活用することで、プライバシーを守りながら円滑に話を進められます。
【口頭での伝え方の例】
介護の場合：家庭の事情により、家族の介護が必要となりました。現在の勤務体制では両立が難しく、退職を決断いたしました。
子育ての場合：育児に専念する必要が生じ、今の働き方では家庭との両立が困難な状況です。
健康問題の場合：家族の健康上の問題により、今後しばらくはサポートに時間を割く必要があるため、退職をさせていただきたいと考えております。
また、家庭の事情で退職する場合は、基本的に退職届にも「一身上の都合により退職」と記載するようにしましょう。
配偶者の転勤などを理由にしたいときの例文
配偶者の転勤を退職理由とする場合は、本人の意思ではどうにもできない客観的な事情として伝えることが重要です。
この理由は会社側も納得しやすく、円満な退職を実現しやすいといえるでしょう。
【口頭での伝え方の例】
配偶者の転勤に伴い、〇〇県へ転居することとなりました。現在の勤務地からの通勤が困難となるため、退職させていただきたく存じます。
もう少し具体的に伝えたい場合は、以下のように時期や場所を明確にしてもよいでしょう。
夫（妻）の転勤により、〇月から〇〇市に転居予定です。通勤が物理的に不可能となるため、〇月〇日をもって退職させていただきたいと考えております。
また、配偶者の転勤に伴って退職する場合、自己都合退職ではなく「特定理由離職者」となり、失業手当の受給条件が有利になります。
そのため、退職届にも以下のように記載するようにしましょう。
【退職届の書き方の例】
私儀、配偶者の転勤に伴う転居のため、令和〇年〇月〇日をもって退職いたします。
このように、通勤が実質的に困難になる状況であることを客観的に伝えることで、会社側も退職に対して理解を示しやすくなります。
心身の不調を伝えたいときの例文
心身の不調を退職理由とする場合、伝え方の具体例は以下の通りです。
【口頭での伝え方の例】
通常のケース（診断書あり）
健康上の理由により、主治医から療養に専念するよう指導を受けました。現在の業務を継続することが困難なため、〇月〇日をもって退職させていただきたく存じます。
具体的な説明が必要な場合
体調不良が続いており、主治医からも一定期間の療養が必要との診断を受けています。現時点で業務に支障をきたす恐れがあるため、退職を決断いたしました。
即時退職が必要な場合
医師の診断により、直ちに療養に専念する必要があると判断されました。大変恐縮ですが、本日をもって退職させていただきます。
体調不良に関して、医師の診断書がある場合には就労継続が困難や療養を要する旨の記載があると、より確実な証拠として活用できます。
また、体調不良を理由とした退職時の退職届の記載例は以下の通りです。
【退職届の書き方の例】
私儀、健康上の理由により、令和〇年〇月〇日をもって退職いたします。
このように、医師の診断を根拠にして冷静かつ誠実に退職の意思を伝えることで、会社側も適切に対応しやすくなるでしょう。
前向きな理由に言い換えて伝えたいときの例文
ネガティブな退職理由を前向きな言い回しに変えることで、会社側の理解を得やすくなり、円満な退職につながります。
【口頭での伝え方の例】
キャリアチェンジを理由にする場合
かねてより関心のあった〇〇分野への挑戦意欲が強くなり、これまでの経験を活かして新たなキャリアに進みたいと考え、退職を決意いたしました。
スキルアップを理由にする場合
自身の専門性をさらに高め、より高度な業務に挑戦できる環境で成長したいと考えるようになりました。
ワークライフバランスを重視する場合
長期的な視点で安定したキャリア形成を図るため、今後はワークライフバランスを重視した働き方を実現したいと考えております。
新しい挑戦を理由にする場合
新たな業界で自身の可能性を試してみたいという気持ちが強くなり、このたび退職を決断いたしました。
また、退職届にはあくまで一身上の都合と記載し、口頭でのみ具体的な説明を行うのが一般的です。
前向きな理由で退職を伝える際は、現在の職場での経験に感謝を示しつつ、自身の成長や将来のビジョンを明確にすることが、印象を良く退職を伝えるコツといえるでしょう。
退職が認められないときの解決策
退職は労働者の権利であり、正社員の場合、会社の承諾が得られなくても最短2週間で辞めることが可能です。
とはいえ、実際には会社との話し合いを通じて退職日を決めるのが一般的です。しかし、すでに精神的な限界を迎えている場合、冷静に話し合う余裕がないこともあるでしょう。
かといって、「もう会社に行きたくない」と無断欠勤を続けたり、連絡を絶って突然辞める所謂「バックレ」はトラブルの原因になるため避けるべきです。
そこで、ここからは退職の意思を伝えても会社側に受け入れてもらえない場合の対処法についてご紹介します。
それぞれの対処法について、順に詳しく説明していきます。
労働基準監督署へ相談する
退職が認められない場合、まず検討すべきなのが労働基準監督署への相談です。
労働基準監督署は厚生労働省の出先機関であり、労働者の権利を守るための公的な役割を担っています。無料で利用でき、かつ法的な後ろ盾があるため、効果的な解決手段といえます。
以下のような状況になった際は、労働基準監督署への相談を検討しましょう。
- 退職届を受け取ってもらえない
- 後任が見つかるまで辞めさせないと引き止められている
- 退職を理由に損害賠償を請求すると脅された
このような状況に対し、監督署は会社側に労働者の退職の自由を説明し、法的に適切な対応を促してもらうことができます。
退職代行サービスを利用する
上司との直接対話が難しい場合や、精神的に限界を感じているときは、退職代行サービスを利用して確実かつ迅速に退職を進めることが可能です。
退職代行サービスは、依頼者に代わって会社へ退職の意思を伝え、必要な手続きを代行してくれるサービスです。
ただし、退職代行業者によって対応できる範囲が異なるため、自身の状況に合ったサービスを選ぶことが重要です。
キャリアバディマガジン編集部退職代行サービスによっては「非弁行為」と呼ばれる違法行為を行う事業者もいるため、依頼先の選定は慎重に行う必要があります。
また、退職代行サービスは、運営者の種類ごとに「民間」「労働組合」「弁護士」の3つのタイプがあり、それぞれ対応可能範囲が異なるため、目的に合わせた業者を選ぶようにしましょう。
弁護士に相談する
退職に関する問題が法的トラブルに発展しそうな場合には、弁護士への相談がおすすめです。
たとえば、「退職をしたら損害賠償を請求する」と脅されている場合や、逆に、ハラスメントに対する損害賠償の請求を検討している場合は、弁護士に退職方法や法的リスクについて相談するべきといえるでしょう。
また、弁護士が代理人として会社側と交渉することで、相手方も真剣に対応せざるを得なくなり、円滑に退職手続きが進みやすいといえるでしょう。
また、以下のような働き方の人の場合、民間の退職代行サービスでは基本的に対応できず、弁護士の退職代行に入りする必要があるため、注意しておきましょう。
- 公務員(自衛隊を含む)
- 業務委託契約(SESを含む)
- 会社役員
転職活動で精神的に限界だったことをどう伝える？
精神的に限界を感じて辞める場合、転職活動においてどのように退職理由を伝えるべきか悩む人は少なくありません。
面接や履歴書での退職理由の伝え方を誤ると、ネガティブな印象を与えかねないため、注意が必要です。主に意識すべきポイントは以下の3つです。
それぞれ解説していきます。
前向きな表現に言い換える
精神的に限界だったという退職理由は、キャリアアップや成長意欲などの前向きな表現に言い換えることで、採用担当者に好印象を与えられます。
逆に、ネガティブな理由をそのまま伝えると、不採用の可能性が高まるため注意が必要です。
効果的な退職理由の言い換え例としては、以下のような表現が挙げられます。
- 人間関係が悪かった → チームワークを重視し、協力しながら成果を出せる環境で成長したい
- 仕事にやりがいを感じられなかった → 新たな分野に挑戦し、自身のスキルセットを広げたい
- 残業が多かった → ワークライフバランスを整え、長期的にキャリアに貢献したい
「精神的に限界だった」という退職理由をそのまま伝えるのではなく、前向きな表現に言い換えることで、自分自身の転職の方向性も自然と明確になっていきます。
そのため、まずは自分の気持ちや経験を整理しながら、ポジティブに伝えられる言い換えを考えてみることが大切です。
前職への愚痴や不平不満は言わない
転職活動における面接では、「前職の退職理由」を聞かれることが多いですが、愚痴や不平不満を伝えることは避け、客観的かつ建設的な表現に留めることが重要です。
面接で前職の悪口を述べると、「採用後も同じような不満を抱えるのではないか」と採用担当者に不安を与える可能性があります。結果的に、採否に悪影響を与えることも少なくありません。
悪い印象を与える具体例としては、「上司がパワハラばかりで最悪だった」「会社の経営方針がめちゃくちゃで将来性がない」などがあります。
そのため、退職理由は前述の通り「前向きな表現」へ言いかえを行うとともに、「前職では多くの経験を積むことができ、学びも大きかったです」といった感謝の気持ちを添えると、よい印象を与えられるでしょう。
これまでの経験を学びとしてアピールする
精神的に限界を感じた経験も、ただの失敗ではなく学びや成長のきっかけとして伝えることで、あなたの強みとしてアピールできます。
ポイントは、経験 → 学び → 現在の自分という流れで、前向きに言語化することです。
つらい経験をただのネガティブな出来事で終わらせるのではなく、そこから何を学び、今どう活かしているかを伝えることが、面接や履歴書で好印象につなげることができるでしょう。
キャリアバディマガジン編集部これまでの経験から何を学んだのかを言語化するのが難しいと感じる場合は、キャリアバディのキャリアコンサルタントに相談してみましょう。
経験の棚卸や壁打ちを通じて、自分でも気づかなかった強みや価値観を整理することができ、転職活動の軸を明確にする手助けになるでしょう。
精神的に限界を感じて退職したいときのよくある質問
ここからは、精神的に限界を感じて退職したいときのよくある質問について、Q&A形式で解説していきます。
メンタルを理由に退職しても大丈夫ですか？
精神的な不調を理由に退職しても問題ありません。
ただし、感情的に行動するのではなく、今後のキャリアを見据えて冷静に準備を進めることが大切です。
精神的に限界である理由を上司に伝えても大丈夫ですか？
上司に伝えることは可能ですが、一身上の都合として建設的に伝える方が円満退職には効果的です。
詳細を求められた場合は「体調面での配慮が必要となりました」など前向きかつ一般的な表現に留めましょう。
退職した方がいい基準はありますか？
精神的な負担が原因で心身の不調が続いている場合は、退職を検討すべきサインです。以下のような状態が複数当てはまる場合は、体調を最優先に考えることが大切です。
- 不眠、食欲不振、動悸、息苦しさなどの身体的症状がある
- 気分の落ち込み、不安感、やる気の喪失が続いている
- ミスの増加や集中力の低下など、仕事のパフォーマンスが落ちている
- 家族や友人との関係が悪化し、私生活にも影響が出ている
無理を続けるよりも、休む・辞めることが回復への第一歩です。
精神的に限界なので会社に行かなくてもいいですか？
精神的に限界を感じたときは、休むか辞めるかを検討しましょう。
ただし、いずれの場合においても、無断で会社に行かなくなるのはトラブルの原因になるため、避けるべきです。
無断欠勤をするくらいであれば、退職代行サービスや労働基準監督署への相談を検討するようにしましょう。
メンタルが限界なので今すぐ辞めたいのですが？
正社員の場合、民法第627条により退職の申し出から最短2週間で退職することが可能です。
ただし、実際には会社の就業規則に従い、1〜2ヶ月前に申し出るのが一般的です。
とはいえ、就業規則に退職予告は3〜6ヶ月前までになどと極端に長い期間が定められている場合、それに従うことで精神的負担が増すようであれば、1ヶ月程度での退職を検討しましょう。
精神的に限界を感じたら無理せず退職を検討すべし
精神的に限界を感じている場合は、無理をせずに退職を申し出るようにしましょう。
その際、「精神的に限界」であることを退職理由として伝えても問題ありませんが、スムーズな退職のためには、「一身上の都合」と伝えるか、「前向き退職理由」へ言いかえをする方がおすすめです。
ストレスが大きい環境で限界を超えて働き続けると、自身の健康や将来のキャリアに取り返しのつかない悪影響を与える可能性があるため、無理をせず、自身の心と体を第一に考えて行動するようにしましょう。
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