転職エージェントで年収交渉はできるのか?失敗しないためのポイントや注意点も解説

転職エージェントで年収交渉はできるのか?失敗しないためのポイントや注意点も解説
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転職エージェントを通して就職活動を行う場合、年収交渉も代行してもらえるケースが一般的です。

一方で、「交渉して内定が取り消されたらどうしよう」「エージェントに任せて大丈夫なのか」と不安を感じる方も少なくありません。

そこで本記事では、転職エージェントを通じて年収交渉を行う際の流れや、失敗を避けるために押さえておきたい注意点をわかりやすく解説します。

キャリアバディマガジン編集部

年収交渉を代行してもらえる点は、転職エージェントを利用する大きなメリットのひとつです。
自分では言い出しにくい条件交渉を任せられるため、より良い条件での転職を目指しやすくなります。

ただし、エージェントに依頼したからといって、必ずしも希望通りの年収が実現するとは限りません。

本記事で年収交渉を依頼する際のメリット・デメリットやポイントを理解し、賢く転職エージェントを活用していきましょう!

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目次

転職エージェントを使うなら必ず年収交渉するべし!

大前提として、転職エージェントを利用して転職活動を行うのであれば、年収交渉は必ず依頼すべきです。

なぜなら、転職エージェントはこれまでに数多くの転職支援を行ってきた実績があり、蓄積されたデータや企業との関係性をもとに、年収交渉を代行してもらえるからです。

さらに、「この希望年収は現実的に実現可能なのか」「どこまでなら交渉できそうか」といった疑問に対しても、現在の市場相場を踏まえた客観的なアドバイスを受けられます。

ただし、すべての転職エージェントが積極的に年収交渉を行ってくれるわけではありません。中には、交渉自体に消極的なケースや、年収交渉に対応していない転職エージェントもごく稀に存在します。

そのため、年収交渉への対応可否や年収アップの実績については、事前に必ず確認しておくようにしましょう。

なんで転職エージェントでは必死に年収交渉してくれるの?

「転職エージェントは、なぜ年収交渉までしてくれるのだろう?」と疑問に思った人もいるのではないでしょうか。その理由は、転職エージェントのビジネスモデルにあります。

転職エージェント(正式名称:有料職業紹介事業)は、求職者の採用が決定した際に、企業から紹介手数料を受け取る仕組みで成り立っています。

この紹介手数料は、基本的に以下の計算式で算出されます。

紹介手数料の計算方法

年収×紹介手数料率(※)

※エージェント毎に異なるものの、20~35%程度が相場

つまり、年収が高くなるほど転職エージェントの報酬も増えるため、できる限り年収アップにつながるよう、積極的に交渉するインセンティブが働く仕組みになっているのです。

また、紹介手数料はあくまで採用時に支払われる成功報酬のため、提示された年収が希望を下回っていることが原因で求職者が内定辞退した場合、転職エージェントには1円も支払われません。

このように、年収交渉の成功は転職エージェント自身の利益にも直結します。そのため、多くの転職エージェントは、転職希望者の条件が少しでも良くなるよう、年収交渉に積極的に取り組んでくれるのです。

転職エージェントが年収交渉を行う理由まとめ

  • 紹介手数料アップにつながるため
  • 内定辞退の抑制になるため

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転職エージェント経由で年収交渉をする際の流れ 

転職エージェントを利用して年収交渉を行う場合、基本的には次のような流れで進みます。

それぞれ詳しく解説していきます。

キャリアバディマガジン編集部

実際の進め方は転職エージェントや企業によって異なる場合があります。選考の途中で条件が調整されるケースもあるため、状況に応じて担当者とこまめに確認しましょう。

STEP

キャリアアドバイザーとの面談時に転職における希望年収を伝える

転職エージェント登録時に行われるキャリアアドバイザーとの面談では、転職における希望年収について必ず伝えておきましょう。

その際、自身のスキルや経験、現職の年収も正確に共有しておくことで、希望年収が現実的に実現できそうかどうか、客観的なアドバイスをもらいやすくなります。

転職エージェントは、過去の転職事例や市場データをもとに判断できるため、感覚的な意見ではなく、根拠に基づいた年収の見通しをもらえる点がメリットのひとつです。

STEP

転職エージェント経由で企業に対して希望年収が伝えられる

キャリアアドバイザーに伝えた希望年収は、履歴書や職務経歴書などの応募書類とあわせて、転職エージェントを通じて企業に共有されます。その情報をもとに、企業側は書類選考を行います。

年収交渉をより有利に進めてもらうためには、
「この条件であれば入社を前向きに検討できる」
「最低でもこれくらいは必要」
といった希望年収の基準を明確に伝えておくことが大切です。

条件がはっきりしていれば、転職エージェントも書類内容との整合性を保ったうえで、企業に対してスムーズに交渉を進めやすくなります。

STEP

希望年収を前提に採用選考が進む

エージェント経由の転職活動では、基本的に希望年収を前提に採用選考が進みます。

ただし、企業によっては 「希望年収どおりの条件は難しいが、人物やスキルには興味があるため、一度面接をしたい」と選考を継続するケースもあります。

この場合、面接を重ねた結果、最終的に給与条件が合わず見送ることになれば、求職者にとっては時間や労力が無駄になってしまう可能性もあります。

そうしたミスマッチを防ぐためには、次の2つを明確に分けて考え、あらかじめ転職エージェントの担当者に共有しておくことが重要です。

転職エージェントの担当者に伝えるべき2つの条件
  • 「これくらいあれば理想」という希望額
  • 「これを下回るなら転職しない」という最低ライン

下限となる年収を伝えておくことで、条件に合わない選考を無理に進めるリスクを減らせるだけでなく、転職エージェント側も判断基準を持って企業とやり取りしやすくなります。

STEP

オファー面談で採用時の年収が決定する

内定後には、採用条件のすりあわせを行う「オファー面談」が実施され、その際に想定年収を含む最終的な条件が提示されます。

オファー面談は内定後(承諾前)のタイミングで行われることが多く、年収・待遇などの諸条件、および入社時期などを確認・調整する場として設けられます。

ただし、企業や転職エージェントによっては、転職エージェントを通じて採用時の年収や諸条件が書面や口頭で共有され、内容を確認・補足する目的で、後日オファー面談が設定されるケースもあります。

いずれにしても、オファー面談は内定を承諾する前に条件を確認・調整できる貴重な機会です。提示された内容を十分に確認したうえで、納得した形で意思決定を行うことが大切です。

キャリアバディマガジン編集部

この際、希望条件を下回る年収を提示されるケースもあります。

もしも希望に見合わない待遇を提示された際、「内定承諾するべきか悩む」という場合は、キャリアバディのような外部の専門家に相談するようにしましょう。

企業が採用者の年収を決める判断材料

企業が就職希望者の年収を決める際に重視する判断材料として、以下の3つが挙げられます。

企業が採用者の年収を決める判断材料

それぞれ詳しく解説します。

前職(現職)の年収

日本企業の多くは、年収を決める際に「前職(現職)の年収」を重要な判断材料としています。

ただし、この判断軸には注意が必要です。前職で実力に見合わない低い評価を受けていた場合、その水準が転職先にも引き継がれてしまう可能性があるからです。

結果として、本来得られるはずの年収より低い条件で採用されてしまうケースも少なくありません。

そのため、自身のスキルや経験に見合った年収で転職するためには、業界・職種ごとの市場相場を把握しておくことが欠かせません。

提示された年収が相場と比べて低いと感じた場合は、前職の数字だけにとらわれず、客観的なデータや実績をもとに説明・交渉する姿勢が求められます。

キャリアバディマガジン編集部

職種や業界の選択肢を広げることで、これまでのスキル・経験・実績を正当に評価してもらいやすくなり、年収交渉が有利に進むケースもあります。

転職で年収アップを実現したいのであれば、担当キャリアアドバイザーと相談しながら、交渉の進め方や応募書類の作り方を一緒に検討していきましょう!

自社の給与水準

企業には、社員の役割や責任に応じて給与の範囲を定める等級制度(グレード制度)が設けられていることが一般的です。

特に大企業では等級制度が厳格に運用されており、どれほど優秀な人材であっても、原則として該当する等級の上限を超えて年収を設定することはできません。

そのため、より高い年収を希望する場合は、単純に金額を引き上げてもらおうとするのではなく、「より上位のグレードに相当する役割を担える人材である」ことを示す必要があります。

この仕組みを理解したうえで、自分がどのグレードで採用されるべき人材なのかを意識して選考や交渉に臨むことが、年収アップを実現する近道となります。

キャリアバディマガジン編集部

一定以上の年収を希望する場合は、「管理職以上の役職」が必須条件になることもあります。

その場合は、マネジメント経験の有無が採用に大きく影響することになるため、あらかじめ注意しておきましょう。

保有スキル・経験・実績

企業が年収を決めるうえで重視する要素のひとつが、転職希望者のスキルや経験、実績です。

希望年収での転職を実現するためには、自分のスキルや経験が、企業の成果や利益にどのように貢献できるのかを具体的に説明できることが重要です。

たとえば、次のようにスキルや経験を成果と結びつけて伝えることで、年収交渉を有利に進めることが可能になります。

  • 売上向上にどう寄与したのか
  • コスト削減や業務効率化にどれほど貢献したのか
  • 組織やプロジェクトにどのような変化をもたらしたのか
キャリアバディマガジン編集部

年収を左右するのは、肩書きや勤続年数だけではありません。再現性のある成果を出せる人材かどうかが、年収交渉の成否を分ける重要なポイントになります。

転職エージェント経由の年収交渉で失敗しないためのポイント

転職エージェントを活用した年収交渉では、事前準備と伝え方が結果を大きく左右します。エージェント経由で条件交渉する際、失敗しないために押さえておきたいポイントは、以下の通りです。

それぞれ詳しく解説していきます。

応募企業の給与を把握する

年収交渉を始める前に、まずは応募企業の給与ルールを理解することが重要です。多くの企業では等級制度を採用しており、役職や期待される役割ごとに、年収の上限が明確に定められています。

そのため、金額そのものを無理に引き上げようとすることはできません。

自分の経験やスキルが、より上位のグレードに相当する役割を担えるかを示し、採用グレード自体を上げてもらう視点で交渉することが、年収アップへの近道になります。

キャリアバディマガジン編集部

応募企業の給与条件や対応している等級については、転職エージェントを通じて確認するとスムーズです。

業界の給与相場を知る

年収交渉をする際には、自身のスキルや経験に応じた「業界の給与相場」を把握しておく必要があります。

もし希望年収が相場より高い場合、その理由を説明できなければ、企業側には根拠のない要求と受け取られてしまう可能性があります。

一方で、提示された年収が相場より低い場合は、交渉の正当な材料として活用できます。

そのため、求人サイトや転職口コミサイトなどを活用し、以下の条件に近い平均的な年収水準を把握しておくことが重要です。

  • 同じ職種
  • 近い年齢・経験年数
  • 近い役職レベル

市場相場を知ることは、データに基づいた年収交渉を行うための土台になるため、必ず事前にチェックしておきましょう。

キャリアバディマガジン編集部

特定の職種・業界に特化した転職エージェントに相談すれば、その分野の年収相場を詳しく教えてもらうことができます。
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自分の市場価値を調べる

年収交渉を行う上では、自身の市場価値を正確に把握することが非常に重要です。

市場価値を正確に把握するためには、スカウト型の転職サイトに登録してオファーを受けるか、もしくは複数の企業の選考を並行して進め、実際の提示条件を比較してみましょう。

たとえば、A社から500万円、B社から600万円のオファーを受けた場合、現在の転職市場で「平均550万円」の評価を受けていると判断できます。

このように、実際に条件の提示を受けることで、自分の中での判断材料になるだけでなく、転職エージェントが企業と年収交渉を行う際の指標にもなります。

一人で考えるのではなく、客観的なデータとして他社からの評価を集めることが、年収交渉を有利に進めるポイントのひとつです。

キャリアバディマガジン編集部

手軽に自分の市場価値を把握したい場合は、ビズリーチのようなスカウト型転職サイトに職務経歴を登録し、ヘッドハンターからのオファーを受け取ってみるのがおすすめです。

希望年収の根拠を伝える

希望年収を伝える際は、金額だけでなく「なぜその年収を希望するのか」という根拠も伝えることが大切です。

重要なのは、企業が納得できる客観的かつ論理的な理由を示すことです。具体的には、以下のような根拠を伝えるとよいでしょう。

  • 現職で売上向上やコスト削減など、具体的な成果を出している
  • 担当業務の範囲や責任が、希望年収に見合う内容である
  • 他社から同水準、またはそれ以上の条件でオファーを受けている

こうした根拠が明確であれば、転職エージェントも企業に対して説明や交渉を行いやすくなります。その結果、希望年収が受け入れられる可能性も高まるでしょう。

キャリアバディマガジン編集部

当然ながら、
「生活費が足りない」
「前より収入を上げたい」
といった個人的な事情は、企業における条件提示の判断材料にはなりません。

希望年収の根拠を伝える際は、自分を採用することでどのようなメリットがあるのかを、企業目線で考えることが重要です。

最低条件と希望条件を設定する 

年収交渉を始める前に、「理想として目指したい金額(希望年収)」と「これを下回るなら転職しないという最低ライン」を明確に決めておくことが重要です。

この2つが整理されていないまま選考が進むと、相手のペースに流されやすくなり、結果として納得できない条件で妥協してしまうリスクが高まります。

また、最低条件と希望条件が不明確な状態では、転職エージェント側も適切な交渉がしづらくなってしまいます。

納得できる条件で転職するためにも、希望年収・最低条件は明確にするようにしましょう。

スキルや実績をアピールする

年収交渉における最大の武器は、これまでに培ってきたスキルや実績です。

希少性の高いスキルや、再現性のある成果を持つ人材は、「多少条件を上げてでも採用したい」と判断されやすく、年収交渉でも有利に進みやすくなります。

そのため、応募書類や面接では、単に経験年数や業務内容を並べるのではなく、そのスキルが企業の利益や成長にどう貢献できるのか、どのような成果を生み出してきたのかを具体的に伝えることが重要です。

あらかじめこれらの情報を整理し、転職エージェントと共有しておくことで、企業に対して年収アップの根拠を示しやすくなり、交渉をより有利に進めやすくなります。

キャリアバディマガジン編集部

「どのスキルや経験をアピールすべきか分からない」と感じている場合は、キャリアバディで専門家に相談するのがおすすめです。

転職エージェントとは異なり、求人紹介を前提としないサービスだからこそ、フラットな視点でアドバイスを受けることが可能です。

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転職エージェントに年収交渉を依頼するメリット

転職エージェントを味方につけることで、年収交渉において次のようなメリットを得ることができます。

それぞれ詳しく解説していきます。

企業の制度や予算を把握したうえで交渉できる

企業には「ここまでしか出せない」という提示可能年収の上限が存在します。

多くの企業では、役職や期待役割ごとに年収レンジが設定されており、その範囲を超えた金額を提示することは、社内制度上難しいのが実情です。

転職エージェントは、こうした企業ごとの等級制度や予算感を把握しているため、実現不可能な要求を避けつつ、制度の中で最大限の条件を引き出す交渉が可能になります。

結果として、無謀な年収提示による不採用リスクを下げながら、現実的かつ戦略的な年収交渉を進められます。

キャリアバディマガジン編集部

ただし、これまでに採用実績のない企業に対して年収交渉を行う場合、転職エージェント側でも詳しい情報を把握していないケースがあります。

そのような場合は、ゼロから情報収集を進めるよりも、すでに実績のある転職エージェントに相談したほうが、スムーズに進められる可能性が高い点も覚えておきましょう。

言いづらい年収交渉を代行してくれる

面接・選考の場で年収の話ばかりをしてしまうと、「仕事内容よりも年収を重視する人」という印象を与えてしまう可能性があります。特に選考の初期段階では、こうした印象がマイナスに働くことも少なくありません。

その点、転職エージェントを介せば、年収交渉を第三者に任せられます。

直接言いづらい条件面の要望をプロに代弁してもらうことで、応募者本人の印象を損なうことなく、年収や待遇について交渉を進められる点が大きなメリットの一つです。

エージェントが持つデータベースで自分の客観的な市場価値がわかる

転職エージェントに相談するメリットのひとつが、自分の経歴やスキルに見合った「客観的な市場価値」を把握できる点です。

自分にとって適正な年収がどの程度なのかを正確に判断するのは、決して簡単ではありません。しかし転職エージェントは、過去の転職事例や企業ごとの提示条件など、膨大なデータをもとに、業界・職種別の平均的な給与水準、いわゆる市場相場を把握しています。

こうした客観的なデータを活用することで、安すぎる条件で妥協してしまうリスクを防げるだけでなく、無謀な年収交渉による不採用リスクも抑えることが可能になります。

キャリアバディマガジン編集部

ただし、転職エージェントが持つデータベースは、あくまで目安となる参考情報です。

鵜呑みにするのではなく、ひとつの判断材料として活用しながら、転職活動を進めるようにしましょう。

入社後の人間関係に悪影響が出にくい

入社前から年収や条件面で直接的な交渉を行うと、企業側にマイナスな印象を持たれてしまい、入社後の人間関係に悪影響を及ぼすリスクもゼロではありません。

その点、転職エージェントを間に挟み、条件交渉を第三者に委ねることで、企業との直接的な対立を避けながら話を進めることが可能です。

結果として、企業や人事担当者との関係性を良好に保ったまま、納得感のある条件で入社を目指せる点が、転職エージェント経由で年収交渉するメリットです。

転職エージェントに年収交渉を依頼するデメリット

転職エージェントに年収交渉を依頼することで多くのメリットを得られる一方、事前に理解しておきたいデメリットとして以下が挙げられます。

それぞれ詳しく解説します。

担当者の交渉力に結果が左右される

エージェントに年収交渉を依頼するデメリットとして、担当者の交渉力に結果が左右される可能性がある点が挙げられます。

転職エージェントといっても、すべての担当者が年収交渉に長けているわけではありません。

中には、今後の取引関係を重視するあまり強い交渉を避ける担当者や、年収交渉をあまり得意としない担当者もいます。

一方で、経験豊富なエージェントであれば、企業の給与水準や決裁フローを把握したうえで、現実的かつ踏み込んだ交渉を行うことも可能です。

そのため、年収交渉を任せる際は、担当者の過去の実績や姿勢、こちらの希望にどれだけ真剣に向き合ってくれるかを見極めることが重要です。

内定優先で交渉を止められる可能性がある

転職エージェントは成果報酬型のビジネスであり、紹介した人材が入社して初めて報酬が発生します。

そのため、年収交渉を強めて内定が取り消しになるリスクを取るよりも、年収交渉を積極的に行わず、内定を優先するケースもあります。

このケースを避けるためには、「この条件を下回れば転職しない」という最低ラインを明確にしたうえで、転職エージェントの担当者に伝えておくことが重要です。

キャリアバディマガジン編集部

転職エージェントの中には、紹介手数料を確定させるために、「まずは低めの年収でも内定を受けるべき」「入社後に年収アップを目指せばよい」と勧めてくるケースもあります。

こうした提案が必ずしも間違いとは限りませんが、納得のいく転職を実現するためには、担当者の意見を鵜呑みにしないことが大切です。

複数の転職エージェントに登録して比較検討しつつ、キャリアバディのような第三者にも相談できる環境を整えておくことで、より客観的な判断がしやすくなります。

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企業側の採用ハードルが上がるリスクがある

転職エージェントの利用有無を問わず、年収交渉をすることで「採用ハードル」が上がる可能性があります。

一定以上の年収を求めるということは、企業に対して「その金額に見合う価値を提供できる人材である」と示す行為でもあります。その分、企業側はより高い期待値を前提に選考や評価を行うようになります。

仮に、実力や実績の裏付けがないまま年収だけを引き上げようとすると、提示条件に見合わないと判断され、選考が見送られたり、内定に至らなかったりするリスクもあります。

一方で、市場相場やこれまでの実績に基づいた妥当な根拠があれば、採用選考において極端に不利になることはありません。

年収交渉を行う際は、「入社後にどのような価値を提供できるのか」を具体的に説明できる準備をして臨みましょう。

転職時に年収交渉をする際の注意点3選

転職時の年収交渉は、進め方を誤ると企業側に悪印象を与え、最悪の場合は不採用や内定取り消しにつながるリスクもあります。

そのため、条件を引き上げることだけに意識を向けるのではなく、伝え方やタイミングにも十分な注意が必要です。

ここでは、年収交渉を行う際に特に意識しておきたいポイントを3つ解説します。

希望年収には幅を持たせる

転職活動時に、希望年収を「絶対にこの金額」と固定してしまうのは危険です。

最初からピンポイントの金額を提示すると、企業側が想定している年収レンジと合わず、交渉自体が成立しにくくなる可能性があるためです。

そのため、希望年収は理想額から最低ラインまで一定の幅を持たせて伝え、企業が自社の制度や予算の範囲内で調整できる余地を残しておくことが重要です。

キャリアバディマガジン編集部

幅を持たせた現実的な希望年収を伝えることで、年収交渉は前向きに進みやすくなります。

前職の給与・年収は正直に伝える 

年収交渉の場では、ほぼ必ず「前職(現職)の年収」を確認されます。この際は、必ず正確な金額を伝えるようにしましょう。

なぜなら、基本的に入社後に前職の源泉徴収票の提出を求められる機会があるため、偽りの年収を伝えても遅かれ早かれバレる可能性が高いためです。

虚偽の申告が判明した場合、入社前であれば内定取り消し、仮に無事に入社できたとしても、後から経歴詐称が判明すれば懲戒処分につながるリスクもあります。

キャリアバディマガジン編集部

年収や経歴を詐称しても、採用時に一時的に通過できたとして、その後に大きなリスクを背負うことになります。

キャリアの継続性や業界内でのレピュテーションへの悪影響を考えても、経歴・年収詐称は絶対に避けるべき行為です。

丁寧で論理的な交渉を意識する

年収交渉において、「生活が苦しい」「家族を養わなければならない」といった個人的な事情は、企業側の判断材料にはなりません。

そのため、交渉の際には、市場相場や自身の実績・スキルなどの客観的な根拠をもとに、「どのように貢献できるのか」を軸に話すことが重要です。

また、内容がいくら正論であっても、高圧的な態度や一方的な主張は逆効果になります。

年収交渉の際は「要求」ではなく「相談」というスタンスを意識し、相手が納得できる材料を丁寧に提示することで、双方が納得できる着地点を見つけやすくなるでしょう。

転職エージェントの年収交渉に関するよくある質問

転職エージェント経由で年収交渉する際のよくある質問をQ&A形式で解説します。

どれくらいの金額なら年収交渉可能ですか?

年収交渉に明確な上限はありませんが、目安になるのは転職市場における市場価値と照らし合わせて妥当か否かが重要な視点のひとつになります。

年収の交渉をしたら印象が悪くなりませんか?

客観的な根拠に基づいた年収交渉であれば、必ずしも印象が悪くなるわけではありません。

企業側も、採用を前向きに検討している候補者については、入社前に年収や条件をすりあわせることを想定しているケースも少なくありません。

年収交渉が原因で内定取り消しされることはありますか?

正しい手順で行えば、年収交渉が原因で内定が取り消される可能性は低いと考えられます。

ただし、内定後になって突然「この年収では働けない」「条件が合わないので再交渉したい」といった形で話が変わると、企業側に不信感を与え、最悪の場合は内定取り消しに繋がるリスクがあります。

こうしたリスクを避けるためにも、転職エージェントとの初期面談の段階で、希望年収や最低ラインを明確に伝えておくことが重要です。

年収交渉で後悔しないためにするべきことはありますか?

年収交渉で後悔しないためには、ひとつの企業に固執しすぎないことが重要です。他社の選考や内定など、別の選択肢があれば、条件面でも冷静に判断できます。

複数の選択肢を持ったうえで交渉に臨むことが、納得感のある転職につながります。

年収交渉が上手くいかなかったときはどうすればいいですか?

希望する年収に届かない場合は、金額以外の条件について交渉を検討するのもひとつの方法です。たとえば、働き方や入社時の条件、評価タイミングなど、年収とは別の要素で調整できるケースもあります。

年収だけにこだわらず、自分にとって価値のある条件は何かを整理したうえで、転職エージェントを通じて相談してみるとよいでしょう。

まとめ:転職エージェントは年収交渉の心強い味方!

転職エージェントを通じて年収交渉を行えば、企業にマイナスの印象を与えにくく、エージェントが持つ客観的なデータを根拠に条件をすり合わせることができます。

ただし、転職先で提示される年収は、主に次のような要素をもとに決まるケースが多いため、無理な交渉をして採用の機会を逃さないよう注意が必要です。

企業が採用者の年収を決める判断材料

年収交渉は「高く要求すること」そのものが重要ではなく、自分の価値を正しく伝え、企業との最適な着地点を見つけるためのプロセスといえます。

転職エージェントの客観的なデータや交渉力を上手に活用しながら、無理のない形で納得できる条件を引き出し、後悔のない転職を実現していきましょう。

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