ファイナンシャルプランナーの難易度は?合格率と試験実施団体の違いを解説!

ファイナンシャルプランナー(FP技能士)の難易度は?合格率と試験実施団体の違いを解説!
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ファイナンシャルプランナー(FP)は顧客のお金に関する悩みに寄り添い、夢や目標を叶えることを手助けできる「お金の専門家」です。資格取得をすることにより、顧客の将来におけるライフプランニングの悩みを解決するための知識を身に付けることが可能です。

ファイナンシャルプランナー(FP)に興味を持っている方の中には、「試験の難易度」や「合格率」が気になるという方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、ファイナンシャルプランナー(FP)の難易度や合格率、試験実施団体の違いなどについて詳しく解説します。

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目次

ファイナンシャルプランナー(FP)とは

ファイナンシャルプランナー(FP)とは、人生の夢や目標を叶えるために総合的な資金計画を立てて経済的な側面から実現に導く専門家のことです。

「ファイナンシャル・プランニング」に関わる主な相談事例は次の通りです。

ファイナンシャル・プランニングの主な相談事例
  • 家計管理
  • 老後の生活設計
  • 教育資金
  • 年金・社会保険
  • 住宅資金
  • 資産運用
  • 税制
  • 保険
  • 介護・医療費
  • 相続・贈与

相談者・依頼者の夢や目標を達成するためにライフスタイルや価値観を踏まえ、収入・支出・資産状況などを考慮に入れて分析を行います。

ファイナンシャルプランナーさまざまな観点から相談者のお金の問題を解決を支援する姿から、「家計のホームドクター」とも呼ばれ、困ったときに気軽に相談できる専門家です。

ファイナンシャルプランナー(FP)の難易度

日本国内には数多くの国家資格と呼ばれる難関資格がありますが、ファイナンシャルプランナー(FP)は比較的難易度の低い国家資格です。

難関資格の合格率は1桁台が多いのに対して、ファイナンシャルプランナー(FP)は2級が20%以上、3級が40%以上と高い合格率を誇っています。

難易度合格率
FP3級易しい40%~80%
FP2級普通20%~60%
FP1級難しい7%~18%
【級別】ファイナンシャルプランナー(FP)の難易度
※級別の合格率はコチラで解説

国家資格の中でもFP3級は易しい試験、FP2級も比較的通りやすい試験として資格試験初心者でも取り組みやすい国家資格といえます。

ファイナンシャルプランナー(FP)3級の難易度

ファイナンシャルプランナー(FP)3級の難易度は合格率が40%~80%であることから、国家資格の中でも難易度の低い資格です。資格試験を初めて受ける方でも入門資格として取り組みやすく、挫折することなく合格できる可能性が高いでしょう。

FP3級試験ではファイナンシャルプランニングに関する基礎知識が出題されるため、実生活に則した内容を学べます。

毎年の出題傾向も大きな変更がないことから、学科試験と実技試験の過去問題集を解いてわからない点をなくしておけば合格できる可能性が高いです。

ただし、難易度が比較的簡単な試験といっても、必ず合格できる試験というわけではないため、学科試験と実技試験のどちらも6割以上の点数を取れるようにしておきましょう。

ファイナンシャルプランナー(FP)3級の合格率推移はコチラ

ファイナンシャルプランナー(FP)2級の難易度

ファイナンシャルプランナー(FP)2級の難易度は合格率が20%〜60%であることから、FP3級と同様に比較的通りやすい資格です。FP3級と比較すると難易度が上がるものの、他の国家資格と比べると難易度はそれほど高くありません。

ただし、FP3級よりも出題範囲や試験内容が専門的な問題が多くなり、実技試験が記述式になることも難易度が上がる理由です。

FP3級の学科試験は〇✖式や3答一択問題で出題されるのに対して、FP2級は4答一択問題で選択肢に迷う可能性があります。

ファイナンシャルプランナー(FP)2級の合格率推移はコチラ

ファイナンシャルプランナー(FP)2級の受験資格

ファイナンシャルプランナー(FP)2級に挑戦するためには、以下のいずれかの受験資格を満たす必要があります。

ファイナンシャルプランナー(FP)2級の受験資格
  • 日本FP協会が認定するAFP認定研修を修了した者
  • 3級技能検定、または厚生労働省認定金融渉外技能審査3級の合格者
  • FP業務に関して2年以上の実務経験を有する者

※上記いずれかを満たせば受験可能

上記を見ると分かるように、FP2級は誰でも受験可能な検定ではありませんが、FP3級取得や特定の研修を修了することで挑戦可能です。そのため、誰でも受験可能なFP3級よりはややハードルが高いものの、挑戦しやすい検定といえるでしょう。

ファイナンシャルプランナー(FP)1級の難易度

ファイナンシャルプランナー(FP)1級の難易度は非常に高く、合格率が7%〜18%の検定です。

FP1級はFP資格の中で最高峰の難しさを誇っており、他の国家資格と比較しても合格率が低くなっています。
例えば、同じ国家資格である宅建士の合格率が15%〜17%、行政書士の合格率が11%〜15%となっており、難関資格と呼ばれる試験よりも低い合格率となっています。

ファイナンシャルプランナー(FP)1級に合格するために必要な勉強時間は450時間〜600時間程度で、FP2級の150時間〜300時間の2倍の勉強時間に匹敵します。

FP1級に合格するには多くの勉強時間を確保したうえで、試験に臨むことが合格への重要なカギを握るといえるでしょう。

ファイナンシャルプランナー(FP)1級の合格率推移はコチラ

ファイナンシャルプランナー(FP)1級の受験資格

ファイナンシャルプランナー(FP)1級はを受験するためには、次のいずれかの要件を満たす必要があります。

ファイナンシャルプランナー(FP)1級の受験資格
  • FP2級技能検定合格者、かつFP業務に関し1年以上の実務経験
  • FP業務における5年以上の実務経験
  • 厚生労働省認定金融渉外技能審査2級の合格者で、1年以上の実務経験を有する者

※上記いずれかを満たせば受験可能

上記を見ると分かるように、FP1級は実務経験が必須とされる検定です。FP2級合格者の場合であっても1年以上の実務経験が求められ、資格がない場合は「5年以上の実務経験」が必要になります。

高い受験資格のハードルがあることに加え、そのうえで合格率が低い数字となっていることからも、FP1級の難易度g非常に高いことが分かります。

ファイナンシャルプランナー(FP)の合格率推移

ここからは、ファイナンシャルプランナー(FP)の3級~1級の学科試験と実技試験における合格率を紹介します。

FP技能検定の指定試験機関は、「日本FP協会」と「一般社団法人金融財政事情研究会」の2団体で実施されており、それぞれ試験科目や合格率の実績がやや異なっています。

また、一般社団法人金融財政事情研究会ではすべての試験を実施しているのに対し、日本FP協会では現在はFP1級の学科試験は実施されていません。

2団体のどちらで受験しても「ファイナンシャル・プランニング技能士」の資格が取得可能ですが、過去問や合格率の実績などを見て試験団体を決めても良いでしょう。

試験に取り組みやすい団体であることに加え合格率を確認したうえで、どちらの団体で受験するのかを決めましょう。

ファイナンシャルプランナー(FP)3級の合格率推移

ここからはファイナンシャルプランナー(FP)3級の合格率推移を解説します。

日本FP協会が実施している学科試験および実技試験の合格率が70%〜90%を占めるのに対して、金融財政事情研究会が実施している学科試験および実技試験の合格率は30%〜60%と低めの実績になっている点に注意が必要です。

日本FP協会のファイナンシャルプランナー(FP)3級学科試験の合格率推移

日本FP協会のファイナンシャルプランナー(FP)3級学科試験の合格率推移は次の通りです。

試験日学科受験者数学科合格者数合格率
2024年1月39,37032,73283.14%
2023年9月31,43123,50574.78%
2023年5月35,56831,38888.25%
2023年1月39,83933,96185.25%
2022年9月34,61627,96380.78%
2022年5月39,23132,70783.37%
2022年1月39,49534,36487.01%
2021年9月36,36830,80184.69%
2021年5月36,37830,28483.25%
2021年1月31,27227,49487.92%
2020年9月31,24728,01189.64%
日本FP協会のFP3級学科試験の合格率推移
参照:日本FP協会「FP技能士の取得者数及び試験結果データ」

2023年9月の74.78%を除いては過去9回分で80%以上を記録しており、勉強時間を確保したうえで臨めば通りやすい試験であるといえます。

日本FP協会のファイナンシャルプランナー(FP)3級実技試験の合格率推移

日本FP協会のファイナンシャルプランナー(FP)3級実技試験の合格率推移は次の通りです。

試験日実技受験者数実技合格者数合格率
2024年1月38,53133,35186.56%
2023年9月31,13024,18077.67%
2023年5月34,75930,18286.83%
2023年1月38,63334,12788.34%
2022年9月33,24628,07284.44%
2022年5月38,81035,05890.33%
2022年1月40,32436,59590.75%
2021年9月37,41430,11980.50%
2021年5月36,69128,12276.65%
2021年1月31,60727,34886.53%
2020年9月31,31927,57488.04%
日本FP協会のFP3級実技試験の合格率推移
参照:日本FP協会「FP技能士の取得者数及び試験結果データ」

2023年9月と2021年5月に70%台を記録しているものの、2022年5月と2022年1月には90%台を記録しており、学科試験よりも合格率が前後する傾向にあります。

金融財政事情研究会のファイナンシャルプランナー(FP)3級の学科試験合格率推移

金融財政事情研究会のFP3級の学科試験の合格率推移は次の通りです。

試験日学科受験者数学科合格者数合格率
2024年1月17,1857,97446.40%
2023年9月18,3146,81237.19%
2023年5月5,9843,68561.58%
2023年1月21,92312,27856.00%
2022年9月21,0189,12543.41%
2022年5月19,4079,51749.03%
2022年1月23,17514,49062.52%
2021年9月27,60714,71853.31%
2021年5月23,24811,11747.81%
2021年1月26,14016,66663.75%
2020年9月35,65924,70669.28%
金融財政事情研究会のFP3級の学科試験合格率推移
参照:一般社団法人 金融財政事情研究会「試験結果」

日本FP協会のファイナンシャルプランナー3級の学科試験に比べると受験者数が少なく、合格率も30%〜60%低く推移していることがわかります。そのため、合格率だけを見ると金融財政事情研究会の学科試験の方が、日本FP協会の学科試験より合格難易度が高いといえます。

金融財政事情研究会のファイナンシャルプランナー(FP)3級の実技試験合格率推移

金融財政事情研究会のファイナンシャルプランナー(FP)3級実技試験は選択科目方式になっており、以下のどちらかを選択して受験します。

金融財政事情研究会のFP3級の実技試験

  • 個人資産相談業務
  • 保険顧客資産相談業務

それぞれの合格率推移は以下表の通りです。

スクロールできます
試験日個人資産相談業務 受験者数個人資産相談業務 合格者数個人資産相談業務 合格率保険顧客 資産相談業務 受験者数保険顧客 資産相談業務 合格者数保険顧客 資産相談業務 合格率
2024年1月5,0822,82855.64%9,3844,20444.79%
2023年9月6,5624,08862.29%11,2496,22155.30%
2023年5月5,9843,68561.58%11,9627,04858.91%
2023年1月8,4795,72967.56%12,9275,17840.05%
2022年9月9,0105,24758.23%12,8095,54543.28%
2022年5月8,8715,52262.24%13,4946,15945.64%
2022年1月11,8746,31153.14%13,1775,20939.53%
2021年9月12,5135,41243.25%15,9027,74248.68%
2021年5月12,2027,27759.63%14,6396,99347.76%
2021年1月16,4149,62558.63%17,1949,63256.01%
2020年9月17,2076,07135.28%22,27312,51856.20%
金融財政事情研究会のFP3級の実技試験合格率推移
参照:一般社団法人 金融財政事情研究会「試験結果」

個人資産相談業務と保険顧客相談業務の2種類に分かれており、保険顧客相談業務のほうが受験者数が多い傾向にあります。。この傾向からも、FPの知識を保険業務に活かそうとしている方が多いことがわかります。

ファイナンシャルプランナー(FP)2級の合格率推移

ファイナンシャルプランナー(FP)2級における、日本FP協会と金融財政事情研究会が実施している学科試験と実技試験の合格率推移を紹介します。

FP2級に関しても日本FP協会よりも金融財政事情研究会の合格率が低く推移しており、難易度が高い傾向にあるといえるでしょう。

日本FP協会のファイナンシャルプランナー(FP)2級学科試験の合格率推移

日本FP協会のファイナンシャルプランナー(FP)2級学科試験の合格率推移は次の通りです。

試験日学科受験者数学科合格者数合格率
2024年1月26,56310,36039.00%
2023年9月23,91712,80453.54%
2023年5月24,72712,07248.82%
2023年1月29,46616,53756.12%
2022年9月26,26511,07442.16%
2022年5月27,67813,61749.20%
2022年1月27,88911,57641.51%
2021年9月26,35213,32450.56%
2021年5月26,79914,90255.61%
2021年1月26,43711,63844.02%
2020年9月25,11712,35549.19%
日本FP協会のFP2級学科試験の合格率推移
参照:日本FP協会「FP技能士の取得者数及び試験結果データ」

2級の学科試験は40%〜50%を推移していることが多く、直近の2024年1月の試験では39%で40%台を切っているため、3級の学科試験よりも難しい傾向にあることがわかります。

日本FP協会のファイナンシャルプランナー(FP)2級実技試験の合格率推移

日本FP協会のファイナンシャルプランナー(FP)2級実技試験の合格率推移は次の通りです。

試験日実技受験者数実技合格者数合格率
2024年1月24,63215,05561.12%
2023年9月20,89210,86752.02%
2023年5月22,16712,99158.61%
2023年1月23,99414,28359.53%
2022年9月21,51612,16756.55%
2022年5月23,23714,43262.11%
2022年1月23,18613,06156.33%
2021年9月21,29412,83260.26%
2021年5月20,60813,73966.67%
2021年1月22,47415,95871.01%
2020年9月20,16311,56757.37%
日本FP協会のFP2級実技試験の合格率推移
参照:日本FP協会「FP技能士の取得者数及び試験結果データ」

日本FP協会が実施するFP2級の実技試験は50%〜70%となっており、学科試験よりも高い合格率です。そのため、学科試験の内容を理解していれば合格できる可能性が高いといえます。

金融財政事情研究会のファイナンシャルプランナー(FP)2級の学科試験合格率推移

金融財政事情研究会のファイナンシャルプランナー(FP)2級学科試験の合格率推移は次の通りです。

試験日学科受験者数学科合格者数合格率
2024年1月29,2263,88113.27%
2023年9月28,0946,39322.75%
2023年5月27,2394,77217.51%
2023年1月36,71310,67629.07%
2022年9月34,8725,49515.75%
2022年5月36,8638,15222.11%
2022年1月41,8038,15419.50%
2021年9月43,49911,07625.46%
2021年5月44,73615,13333.82%
2021年1月50,86511,91623.42%
2020年9月63,74121,10233.10%
金融財政事情研究会のFP2級の学科試験合格率推移
参照:一般社団法人金融財政事情研究会「試験結果」

日本FP協会のファイナンシャルプランナー(FP)2級の学科試験合格率が40%〜50%で推移しているのに対して、金融財政事情研究会では合格率20%〜30%となっています。このことから、金融財政事情研究会の方が難易度が高めといえます。

金融財政事情研究会のファイナンシャルプランナー(FP)2級の実技試験合格率推移

金融財政事情研究会のファイナンシャルプランナー(FP)2級実技試験の合格率推移は次の通りです。

スクロールできます
試験日個人資産相談業務中小事業主資産相談業務生保顧客資産相談業務損保顧客資産相談業務
受験者数合格者数合格率受験者数合格者数合格率受験者数合格者数合格率受験者数合格者数合格率
2024年1月10,0363,72537.11%1,11659853.58%8,2253,72445.27%
2023年9月9,0653,75041.36%1,00536135.92%8,3523,35540.17%26816160.07%
2023年5月9,8273,90839.76%9,1123,57239.20%
2023年1月12,4874,25734.09%1,6131,01662.98%9,8133,13131.90%
2022年9月11,7164,86741.54%1,14345539.80%10,1603,30732.54%37327272.92%
2022年5月12,3193,87431.44%10,9533,7603,760%
2022年1月16,4206,51839.69%1,53088557.84%13,1566,70250.94%
2021年9月16,6507,07442.48%1,48688859.75%13,5204,58633.92%43830068.49%
2021年5月16,9597,26142.81%13,6756,45347.18%
2021年1月20,9357,53836.00%1,6281,04464.12%18,1759,98954.96%
2020年9月26,3208,87333.71%1,59791957.54%28,34117,21360.73%48128258.62%
金融財政事情研究会のFP2級の実技試験合格率推移
参照:一般社団法人金融財政事情研究会「試験結果」

2級の実技試験になると事業に利用するための資産相談業務も追加されており、近年では30%〜40%の合格率で日本FP協会の2級実技試験に比べると低い水準を示しています。

ファイナンシャルプランナー(FP)1級の合格率推移

ファイナンシャルプランナー(FP)1級における、金融財政事情研究会が実施している学科試験と実技試験の合格率推移を紹介します。

日本FP協会も1級試験を毎年9月のみ実施しているものの、実技試験だけで学科試験は実施していません。

ファイナンシャルプランナー(FP)試験における最高峰の試験だけあって、2級や3級の学科試験よりも低い合格率を示しています。

金融財政事情研究会のファイナンシャルプランナー(FP)1級学科試験の合格率推移

金融財政事情研究会のファイナンシャルプランナー(FP)1級学科試験の合格率推移は次の通りです。

試験日学科受験者数学科合格者数合格率
2024年1月5,2264568.72%
2023年9月5,02365313.00%
2023年5月4,8311703.51%
2023年1月6,14663810.38%
2022年9月5,34765712.28%
2022年5月6,1925829.39%
2022年1月7,9585316.67%
2021年9月7,13493013.03%
2021年5月7,3481,47420.05%
2021年1月8,8848849.95%
2020年9月9,9481,49415.01%
金融財政事情研究会のFP1級学科試験の合格率推移
参照:一般社団法人金融財政事情研究会「試験結果」

2級および3級の学科試験が30%〜60%であるのに対して、1級の学科試験は1桁台〜20%と低い推移を示しています。合格率から見ても、ファイナンシャルプランナー(FP)の中で最も合格することが困難な試験です。

金融財政事情研究会のファイナンシャルプランナー(FP)1級実技試験の合格率推移

金融財政事情研究会のファイナンシャルプランナー(FP)1級実技試験の合格率推移は次の通りです。

試験日実技受験者数実技合格者数合格率
2024年2月69861487.96%
2023年9月~10月19615780.10%
2023年6月73762584.80%
2023年2月75464986.07%
2022年9月~10月47440184.59%
2022年6月74263885.98%
2022年2月1,11996185.88%
2021年9月~10月1,3411,14285.16%
2021年6月1,06690985.27%
2021年2月1,5211,34688.49%
2020年9月~10月79868986.34%
金融財政事情研究会のFP1級実技試験の合格率推移
参照:一般社団法人金融財政事情研究会「試験結果」

1級実技試験は、毎回80%以上と高い合格率を示しています。1級の学科試験に合格できれば、1級の実技試験に通る確率は高いです。

ファイナンシャルプランナー(FP)合格のために必要な勉強時間

ファイナンシャルプランナー(FP)は1級・2級・3級に分かれており、それぞれで合格のために必要な勉強時間が異なります。

3級・2級・1級と上がっていくにつれて難易度が高くなり、合格までに必要な時間も増える傾向です。ファイナンシャルプランナー(FP)で一般的に必要とされている必要な勉強時間の目安は次の通りです。

難易度必要な勉強時間の目安
FP3級易しい80~150時間 
FP2級普通 150~300時間
FP1級難しい 450~600時間
FP合格のために必要な勉強時間

FP3級は1日2時間確保できる計算で2〜3ヵ月程度、FP2級は3〜5ヵ月程度、FP1級は10か月程度の勉強時間が必要になります。

FPに関する実務経験が豊富な方の場合は、より効率的に早く合格できる可能性も有ります。ライフスタイルや検定合格を目指す時期を鑑みて、学習計画を立てて進めるとよいでしょう。

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ファイナンシャルプランナー(FP)の試験概要

ファイナンシャルプランナー(FP)の試験概要は次の通りです。

資格名ファイナンシャル・プランニング技能検定
(FP技能検定)
資格の種類国家検定
試験科目【FP1級~3級学科試験】
ライフプランニングと資金計画
リスク管理
金融資産運用
タックスプランニング
不動産
相続・事業承継

【FP3級実技試験】
▽日本FP協会
資産設計提案業務
▽金融財政事情研究会
個人資産相談業務
保険顧客相談業務

【FP2級実技試験】
▽日本FP協会
資産設計提案業務
▽金融財政事情研究会
個人資産相談業務
中小事業主資産相談業務
生保顧客資産相談業務
損保顧客資産相談業務

【FP1級実技試験】
▽日本FP協会
資産設計提案業務
▽金融財政事情研究会
資産相談業務
出題形式【FP3級】
3級学科試験:筆記(マークシート形式)
3級実技試験:筆記(記述式)

【FP2級】
2級学科試験:筆記(マークシート形式)
2級実技試験:筆記(記述式)

【FP1級】
金融財政事情研究会
1級学科試験:筆記(マークシート形式)(記述式)
1級実技試験:口頭試問方式(面接2回)

日本FP協会
1級実技試験:記述式(2題 20問)
受験料3級学科試験:4,000円
3級実技試験:4,000円

2級学科試験:5,700円
2級実技試験:6,000円

1級学科試験:8,900円(金融財政事情研究会)
1級実技試験:28,000円(金融財政事情研究会)

1級実技試験:20,000円(日本FP協会)
ファイナンシャルプランナー(FP)の試験概要

前述の通り、FP技能検定は学科試験と実技試験で構成されており、日本FP協会と金融財政事情研究会で実施されています。どちらで受験することも可能ですが、試験問題や合格率が異なるため、自身の目的や得意領域に合わせて検定実施団体を選ぶとよいでしょう。

ファイナンシャルプランナー(FP)の試験実施団体の違い

ファイナンシャルプランナー(FP)試験を受ける場合は、「日本FP協会」と「一般社団法人金融財政事情研究会」の2団体のどちらかで受験が可能です。

どちらの団体で試験に合格したとしても、「ファイナンシャル・プランニング技能検定」の資格が取得できることに変わりはありません。

ただし、団体によって実技試験の科目や合格率などに違いがあるため、本項でわかりやすく紹介します。

実技試験の科目が違う

日本FP協会と金融財政事情研究会では、実技試験の科目が異なっています。

2団体における実技試験の違いは次の通りです。

日本FP協会の実技科目金融財政事情研究会の実技科目
FP3級資産設計提案業務個人資産相談業務
保険顧客相談業務
※上記どちらかを選択
FP2級資産設計提案業務個人資産相談業務
中小事業主資産相談業務
生保顧客資産相談業務
損保顧客資産相談業務
※上記いずれかを選択
FP1級資産設計提案業務 資産相談業務
日本FP協会と金融財政事情研究会の実技試験科目

日本FP協会の実技科目が「資産設計提案業務」の1科目に限られているのに対して、金融財政事情研究会の実技科目は多岐に渡っています。

金融財政事情研究会の3級や2級の実技試験は「資産相談業務」という科目で共通点があり、生命保険や火災保険などの項目が出題される傾向です。

2団体の実技試験の違いを理解して、選んだ団体に則したテキストや過去問題集で勉強しましょう。

合格率の違い

日本FP協会と一般社団法人金融財政事情研究会における合格率にも、多くの違いがあります。

2団体の学科試験における合格率の違いは次の通りです。

級 (試験日)日本FP協会の
学科試験合格率
金融財政事情研究会の
学科試験合格率
FP3級(204年1月) 83.14% 46.40%
FP2級(204年1月) 39.00% 13.27%
FP1級(204年1月) 8.72%
日本FP協会と一般社団法人金融財政事情研究会の合格率比較

上表を見ると分かるように、FP3級の合格率は日本FP協会が83.14%であるのに対して、金融財政事情研究会は46.40%と36.74ポイントの差が生じています。

FP2級の合格率も日本FP協会が39.00%である一方で、金融財政事情研究会は13.27%と25.73ポイントの大きな差が生じています。

また、FP1級試験は金融財政事情研究会のみで実施されており、合格率は8.72%と1桁台となっており、他の難関資格と変わらない難易度になっています。

1級の学科試験は金融財政事情研究会のみで実施

FP2級およびFP3級は日本FP協会と金融財政事情研究会の両団体で受験できるものの、FP1級の学科試験は金融財政事情研究会でしか受けられません。

そのため、FP1級の資格を取得したい場合は金融財政事情研究会の学科試験に合格した後に、日本FP協会または金融財政事情研究会が実施する1級の実技試験を受ける流れです。

試験開催日は日本FP協会が毎年9月にしか実施していない反面、金融財政事情研究会は1月・5月・9月の3回と多くの試験を実施しています。

ファイナンシャルプランナー(FP)を取得するメリット

ファイナンシャルプランナー(FP)を取得することは、多くの恩恵を与えてくれるメリットがあります。

FP資格を取得する主なメリットは次の通りです。

ファイナンシャルプランナー(FP)を取得するメリット

試験を受ける前にどのような目的で資格取得をしたいのかを考えておくと、勉強もモチベーション高く取り組めます。そのため、以下のメリットを読んで、自身が「何のためにFP取得を目指すのか」を明確にしておきましょう。

メリット①:家計管理に役立つ

ファイナンシャルプランナー(FP)に出題される内容は、家計管理に役立つものが盛りだくさんで今後のライフプランを考える際にも役立ちます。

家計管理に役立つFPのスキル例は次の通りです。

家計管理に役立つFPのスキル例
  • ライフイベント表の作成スキル
  • キャッシュフロー表の作成スキル
  • バランスシートの作成スキル

上記のように、家計管理に役立つ表を作成することにより「家計の見える化」につながり、過去の無駄遣いや未来におけるお金の使い方について把握できます。

就職・転職・結婚・出産・定年などの人生の節目における費用の見通しも立てられるため、資格を取得しておいて損はありません。

家計管理に不安を感じている方は、ファイナンシャルプランナー(FP)を勉強してみることも1つの手段です。

メリット②:就職や転職に役立つ

ファイナンシャルプランナー(FP)試験では株式・保険・不動産・税金などさまざまな分野の知識が身に付くことから、就職や転職がしやすくなります。

FP資格を取得することによって就職や転職に有利になる業界は次の通りです。

FP技能検定が活かせる業界
  • 金融業界
  • 保険業界
  • 不動産業界
  • 士業事務所


特に金融業界や保険業界で役立つ知識が豊富に盛り込まれているため、資格を保有していることを示せれば会社から一目を置かれる可能性があります。

FP資格を取得したうえで顧客に役立つ提案ができれば、多方面から重宝される存在になるのも夢ではないでしょう。

メリット③:他の資格取得に役立つ

ファイナンシャルプランナー(FP)はさまざまな分野を学べる試験であることから、他の資格取得をするうえでも役立ちます。

資格取得したことにより学びやすくなる他の資格は次の通りです。

FPと試験内容が相性のよい他資格
  • 簿記
  • 宅建士
  • 行政書士
  • 中小企業診断士
  • 税理士

金融系や法律系に関する内容が豊富に学べる特性上、上記のような難関資格に取り組む際にも勉強がしやすくなります。

FP試験の勉強をするうえで得意分野を見つけて、得意分野に特化した国家資格でさらに知識を深めるという手法を取るのも1つの手段です。

他の国家資格取得を見据えている場合でも、資格の登竜門として利用することも検討しましょう。

ファイナンシャルプランナー(FP)を取得するデメリット

ファイナンシャルプランナー(FP)を取得することで多くのメリットがあるものの、いくつかのデメリットもあります。

FP資格に関するデメリットは次の通りです。

ファイナンシャルプランナー(FP)のデメリット

試験を受ける前にデメリットを把握しておけば、資格取得後に後悔することを防げるでしょう。

デメリット①:独占業務が無い

他の国家資格と最も異なる点は、独占業務に対応していないことが挙げられます。独占業務とは、資格を取得していなければ該当する仕事に従事できない業務のことです。

業務独占資格を保有していれば参入障壁にもなり、職場の同僚や顧客からも信頼を示せる可能性があります。

一方で、ファイナンシャルプランナー(FP)は独占業務ではなく、名刺に記載されていたとしても信頼性が得られるとは限りません。

FP業務は資格取得をしていなくても、「ファイナンシャルプランナー」と名乗れる点も大きな特徴といえるでしょう。

独占業務を持つ資格の一例
  • 宅建士
  • 行政書士
  • 司法書士
  • 税理士
  • 弁護士
  • 通関士

デメリット②:専門性が高くない

ファイナンシャルプランナー(FP)はさまざまな分野を学べる汎用性の高い資格である反面、専門性が低いと見なされやすい資格です。

金融・保険・不動産・税金・相続などの分野は、公認会計士や税理士、宅地建物取引士等のそれぞれに専門性の高い国家資格があります。これに対し、FP3級~2級資格は取得している方も多く、保有しているだけでは専門性の証明に繋がり辛いことがあります。

一方で、FP1級は難関資格と判断されている場合が多く、取得していると専門性の高いファイナンシャルプランナーとして信頼される可能性が高いでしょう。

ファイナンシャルプランナー(FP)試験の難易度・合格率まとめ

この記事では、ファイナンシャルプランナー(FP)試験の難易度や合格率に焦点を当てながら、合格のために必要な勉強時間、試験概要、取得するメリット・デメリットなどについて紹介しました。

ファイナンシャルプランナー(FP)は1級・2級・3級に分かれており、級が上がるにつれて難易度が高くなる特徴があります。

FP2級とFP3級に関しては他の国家資格よりも取得しやすい傾向にあり、初めて資格取得をしたい方にもおすすめの資格です。

資格取得をすることで家計管理や就職、転職にも役立つ場面が多く、家庭や職場でも知識量が深い方として重宝される可能性があります。

お金にまつわる様々な分野の知識をまとめて習得したいと考えている方は、ファイナンシャルプランナー(FP)の資格取得を検討してみるとよいでしょう。

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